アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
指輪の秘密
-
「おじゃまします」
相沢の家は マンションの角部屋だった。
「どうぞ」
リビングに案内され ソファに座るように促される。
…なんか生活感のない部屋だ。
キョロキョロと周りを見ていると
急に後ろから抱きしめられる。
「俺、結婚してないですよ」
耳元には彼の顔がある。
チラリと盗み見ると彼は真面目な顔をしていた。
それでも心の中の不安は消えない。
「この指輪は、別にそう言うのじゃないんです」
嬉しい。嬉しい。
モヤモヤが少しずつ消えていく。
勝手に頬が緩んで 熱を帯びる。
「陽菜ってアレ、弟です」
「お、弟!?」
名前は女の子みたいなのに…。
「俺の弟、女装癖あって。
本当は大志(タイシ)って名前なんです。
アレはなんか…仕事用の名前みたいな。」
仕事って…やっぱり水商売的なやつだろうか。
それとも風俗的な…?
いやいや!! 考えちゃダメだ、そんなことは。
「あ、ちょっと待ってて下さい」
彼が部屋を出て行った後
目の前にあるパソコンの画面に
口元が緩んだ自分がうつる。
どうしよう。
もしかして僕、相当恥ずかしい嫉妬してたのだろうか。
そう思うと 一気に顔が熱くなった。
「佐伯さん、なんか顔真っ赤ですよ」
部屋に戻ってきた彼に赤面した顔を見られ
また熱くなった気がした。
そして、彼の手には小さなダンボール。
「これ、佐伯さんと開けたかったんです」
彼は僕の隣に座って ダンボールを膝の上に置いた。
そして貼られているガムテープを
ビリビリと剥がしていく。
「え…」
中身を見た僕は 動揺を隠せなかった。
「佐伯さん、こういうの好きかなって」
ダンボールの中には大量のラブグッズ。
バイブからローター、アナルビーズなど種類は様々だ。
「これ…なに…、どうしたの?」
少しの恐怖と 少しの期待。
これ使ったら…気持ちよさそうだ、なんて。
そう思うと下半身が疼いた。
「あぁ、弟の会社でオススメのもの貰ったんです」
弟さんはこういう会社に勤めているのかと
少し感心していると 相沢に手を握られる。
「今日、泊まっていってくれますか?」
真っ直ぐな言葉と 真っ直ぐな瞳。
もう不安なんてない。
相沢の言葉を信じている。
好きだから、信じられる。
嘘をつかない男だから、好きになったんだ。
掠れた声で うん、と返事をした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 420