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指輪の秘密
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「相沢…したい」
寝室で待っている彼に 少しわがままを言う。
時計の針はすでに11時をまわっている。
お風呂には別々に入った。
相沢が我慢できなくなるからと言っていたからだ。
別に我慢することはないと思ったんだが…。
「ダメです、今日はしません。」
この通りだ。
相沢が待っている少し狭いベッドに寝転がり、抱きつく。
誘うように足を絡ませ 頬にキスをした。
「ね、相沢…」
耳元で囁いて 腕に力を込める。
「佐伯さん、このごろ寝てないでしょ」
ゴロリと僕の方を向いた相沢は
少し心配そうにしている。
確かに最近、相沢のことばかり考えて
寝れない日が続いていた。
遅くても日付が変わる前に寝られていたのに
最近はそれができなかった。
「心配なんです」
困ったような 優しい顔。
温かい手で頬を撫でられると どうも反論できない。
「…わかった」
相沢とシたい気持ちは山々だけど、
今日は相沢のぬくもりを感じながら寝るのもいいかな…なんて。
「電気 消しますね」
カチッと照明を落とすと ぼんやりと相沢の顔が見えた。
「ほら、メガネ外して」
本当はもっと相沢の顔を見たかったけど
やっぱり相沢の言うことに従うことしかできない。
「あの…さ」
サイドテーブルに眼鏡を置き
再びこちらを向いた相沢に少しわがままを言ってみる。
「手、繋いでもいいか?」
この一言を言った後は なんだかとても恥ずかしくなった。
手を繋ぐなんて 中学生みたいだ。
「もちろんです」
相沢の両手に両手を包まれる。
それだけでとても幸せになった。
温かくて 大きな手。
今はもう 左手の薬指の冷たい感覚はない。
目を閉じながら 心の中で祈る。
“このぬくもりが消えませんように”って。
“相沢のそばにいれますように”って。
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