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優しさと甘え
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「…信幸さん……?」
聞こえてくる寝息と脱力した身体。
…寝ちゃった?
閉ざされた瞼にキスを落せば、
佐伯さんは幸せそうに微笑んだ。
そんな彼を抱えて 湯船を出る。
ザッとシャワーを浴びて 軽く身体を拭いてやると
気持ちいいのか 少し息を漏らす。
触りたくなる衝動を抑えて 浴室を後にした。
「……りょうた…」
ベッドに横たわらせ、薄めの布団を掛ける。
すると 彼はそう呟いた。
きっと夢でも見ているのだろう。
彼の掌に 自分の掌を重ねれば、
彼の方から握りしめてくる。
たったそれだけで 嬉しくなる。
「……す、き」
聞こえるか聞こえないか。
本当に小さな声で 彼は呟いた。
ふにゃっと笑った顔。
強く握りしめてくる手。
一体、どんな夢を見ているの?
夢にも自分がいることを 嬉しく思う反面
夢の中の自分に 嫉妬する自分もいた。
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