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本音と告白
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「はぁ…ッ、はぁ…」
「…やっと来た」
色の変わったTシャツ。
水分を吸いこんで重くなったジーンズ。
髪から滴る雫。
「佐伯さん、寝ちゃったよ」
入り口で立ち止まった俺に近づいてくる大志。
彼の瞳は酔っているとは思えないほど鋭い。
「……最低ね」
パシッと乾いた音が店内に響く。
叩かれた頬に不思議と痛みは感じなかった。
きっと頬よりも心が痛かったからだろう。
「佐伯さんね、あんたの名前ずっと呼んでたの」
彼のうるんだ瞳にうつる自分。
「好きって…、離れたくないって…泣いてた」
目じりに溜まった水は、一粒の涙になって零れ落ちる。
「あたしね、彼に言ったの。
『知り合いでも紹介しようか』って」
力のこもった彼の指が肩に食い込む。
「そしたら…佐伯さん、必死に笑って言ったの」
喉に何かが詰まったみたいに苦しい。
苦しい。
「『良太は…身体だけじゃなくて、
心まで満たしてくれるんだ』…って」
うまく息ができない。
「どんなに酷いことされても、言われても、
あんたのこと…一度も責めたりしなかった」
溢れるのは後悔と涙。
それからあなたを好きという気持ち。
「佐伯さんは、あんたしかいらないの」
お願いします。
「ごめん…、ごめんなさい…」
どうか。
もう一度だけ、チャンスをください。
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