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本音と告白
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「すき…、ッ…良太が好きだ」
涙を流しながら、必死に思いを告げる佐伯さんを
たまらず抱きしめる。
強張った身体を解いていくように背中を撫でる。
まるで子供をあやすみたいに。
「ッ…うっ……ぅ…」
堪えたような泣き声と震える身体。
力を入れたら壊れてしまうんじゃないかと思うほど
抱きしめた彼の身体は小さく感じた。
「信幸さん…」
名前を呼ぶと、そっと背中に温もりが生まれる。
その温もりは冷え切った心も温めて
“愛しい”という気持ちを生み出すんだ。
壊れぬよう
汚さぬよう
精一杯やさしく。
逃がさぬよう
離さぬよう
できるだけ力強く。
あなたを抱きしめた。
「俺の話…聞いてもらえますか?」
できることなら
嫌いにならないでほしい。
呆れないでほしい。
疑わないでほしい。
ずっと愛してほしい。
そばで笑っていてほしい。
心を満たしてほしい。
そんなこと、口に出せるわけないけど。
「…うん」
背中に回ったあなたの腕に、わずかに力がこもる。
ただそれだけで
“きっと大丈夫”だと思えるんだ。
「…俺ね」
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