アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
部長の苦悩
-
ベッドに腰掛け 桐谷が戻ってくるのを待つ。
時計の秒針が小さな音を立てながら時を刻んでいく。
ぼーっと天井を仰ぐと 取り付けられた照明がやけに明るく見えた。
セフレという関係は
もしかすると 浮気よりも爛れているのかもしれない。
欲を満たすために 好きでもない相手を抱くことが。
上辺だけの言葉を放つことが。
自分にとって一体どんなメリットを生み出すのだろう。
そんな、どうでもいいことを考えていると
静かにドアが開いた。
「…すみません、遅くなりました」
中に入ってきた彼の髪はしっとりと濡れ、
スウェットを身に纏っている。
華奢な彼には少し大きいようで
袖から出る手のほとんどが隠れていた。
「部長…?」
近づいてきた桐谷の腰を抱き、
ソファでシた時のように太ももに座るように促す。
白い光に照らされ 彼の顔がはっきりと見える。
「お前、こんなとこにホクロあったんだな」
右目の斜め下。所謂 泣きぼくろというものだ。
いつもは気が付かなかったのは
髪の毛で隠れているせいだろう。
「…そんな、見ないで…下さい」
伏し目がちになった彼の睫毛が微かに震える。
恥ずかしからか、お風呂上りだからなのかはわからないが
頬はうっすらと紅く染まっていた。
普段なら気にも留めないであろう、
そんな些細なことに目がいってしまう。
何だか 俺はおかしい。
「…かわいい」
ぼそりと呟いた本音は 桐谷にも聞こえているようだ。
潤んでいく双眸。
光に反射して キラキラと光っているそれが
やけに綺麗だった。
「今日、なんかおかしいですよ…」
そう言ってそっぽを向く彼に 強引に口づけをし、
固く閉ざされた唇をこじ開ける。
ツルツルとした歯を舌でなぞると
観念したかのように口を開いた。
「ん…ぅ、ッ…は…ん……ぅ」
キスをしたまま二人でベッドに倒れ込む。
苦しそうな声が聞こえる度に 口を離してやると、
大きく口を開けて酸素を求めて。
再び口を塞ぐと 首に回した腕に力を入れ
ぐっと彼の方に引き寄せられた。
「ん、…ぁ……ッ…ん」
スウェットの隙間から掌を忍ばせ、
膨らみのない胸をまさぐる。
敏感な一点を指が掠めると ピクリと肩を揺らした。
「…ッ…そこ…、もっと触って……」
会社では物静かで真面目なコイツが、
ベッドの中では素顔を見せてくれる。
“触れて欲しい”と強請ってくれる。
そんなことが なんだか嬉しくて、頬が緩んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
184 / 420