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Episode 1
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僕は、全ての音を拒絶した……
聴こえ過ぎるこの耳は
聴きたくない音だって拾ってくる。
そんな僕の病名は聴覚過敏症。
難聴とは違って、
遠くの音までもすぐ近くで
響いているようなそんな感覚になる。
対処法はイヤーカフや
耳栓をするくらい。
発達障害のある人や
大きいストレスを感じすぎた人が
なりやすい聴覚異常。
僕は、きっとストレスが原因。
音を拒絶したのは2年前。
高校1年の時。
拒絶していても、
勝手に音が聴こえてくる。
だから、家でも耳栓をしていて、
完璧防音の部屋に
一人暮らしをしているが
音を聴きすぎて頭が痛くなる事が多い。
そうしていなくても
倒れることが多い。
そもそも俺は2つの病を抱えている為、
一週間に一度は必ず先生に来てもらう。
聴覚過敏症と線維筋痛症。
線維筋痛症は体全身に
何もしていなくても激痛が走る病だが
リウマチの様に腫れたりしないから、
他人が見れば仮病に見える事が多い……
僕の場合はレイノー現象と
胸郭出口症候群の2つが起きている。
レイノー現象は血流が悪くなって
指先が白色や紫色になり、
冷えや痛み、しびれなどを伴う。
そして胸郭出口症候群は
鎖骨付近で手の方へいく神経や
血管が圧迫され、腕や指にだるさや
しびれ、痛みなどがでる。
そんな状態の僕は、
外に出ることも出来ない。
だから、ほぼ一日中
眠っている事が多い。
それを知っている高校は
病気療養中として対処してくれている。
たまにポストに置き手紙などが
担任から入れられており、
顔も見た事も会った事ないのに
大量の絵空事が書かれている。
そして今日は、病院の先生が来る日……
相変わらず、耳栓をしたままだが
音は相変わらず、聴こえっぱなしだ。
まぁ、雑音がないだけマシか……
«ピーンポーン……»
そんな僕の部屋に
インターホンの音が響いた。
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