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全身が痛い…でもどこか暖かい。
手を動かしてみると柔らかくてふかふかな何かに触れた。
良い匂い…
痛い目でにあったばっかりなのに何故か安心するし…このままここいいたいという気持ちが膨らむ。
ここってどこなんだろう?
目を開いてみようとしたんだけど開けれない。
真っ暗な視界に白い光が少し差し込んできてる。
天国?とか?
天国ってもっと明るいイメージしたんだけど実際こんなもんなのかな?
つまり、僕死んじゃったの?
死ねば楽だと思ってたんだけど痛みが感じるから…
やっぱり生きてるのかな?
生きてるとしたら起きたらあの真っ暗な部屋に全裸でいるに違いない。
僕は死ねなかったのか?
また好きな人に酷い事をされる日がくるのか…
嫌だ。
目を覚ましたくない
このまま真っ暗でも暖かい世界にいたい
俊介さんがいない世界に行きたい…
助けて…
「柚月くん?」
え
「聴こえるかな?」
聴こえる…
「聴こえてるなら手動かせるかな?」
手?
「起きてるんだね?目開ける?」
「…」
あ、
目を開けたら眩しい場所にいた。
真っ白で…さっきした良い匂いもちゃんとする。
「僕の事見えるかな?」
声がする方を向いたら見知らぬ男性がいた。
「誰?」
「僕はお医者さんの伊藤タケルと言います」
「…」
お医者さん?
たしかに白衣を着てるけど…
キョロキョロ周りをもう一度見回してみてもここは病院ではなさそうなのに…
「病院?」
「うーん?ここは君のお家だよ」
僕の…家?
僕家なんか持ってないんだけど
「ああ、芹沢さんの家?って言えばわかるかな?」
芹沢さん?
誰それ?
芹沢…
わからない
首を横に傾げて伊藤さんを見つめたら「あはは、芹沢くんも中々酷い事しかしてなかったんだね」って誰に言ってるのかわからない事を言い出した。
僕の頭をポンポンとして優しい声で
「芹沢俊介さんは知ってるでしょ?」
って聞いてきた。
ああ、
あの人芹沢って苗字なんだ。
え…
て事は…
僕は…まだ…
嫌だ!!
どうして!!
俊介さんに見つかる前にいなくならないと!!
「大丈夫!!芹沢さんは帰ってきてないから!」
僕の顔色が変わったのに気付いたのか慌てて僕の両手を握ってそう言われた。
「芹沢さんは君の調子が良くなるまで帰ってこないよ」
どうして?
ここは俊介さんの家なのに…
「今は芹沢さんの事を考えないで自分の体を治さないとね」
優しい笑顔で僕に笑いかけてくれてちょっと心が安らいだ。
この人は不思議だ。
俊介さんの大反対な人だ。
あ、でも僕の体がボロボロだからなのかな?
調子が良くなったら俊介さんもくるって事はまた酷い事を開始するって事で…
だから…
「伊藤さんもセックスするの?」
だって僕に優しい人なんているはずないもん。
そしたら目をまん丸くしてちょっと困った顔で
「しないよ?だから僕の前では安心して」
ってまた頭を撫でてくれた。
この人は本当に優しくて暖かい人なんだ…
でも心のどこかで僕は、
この人がいるより、
酷く冷たい俊介さんが居てくれたらいいなと思ってた。
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