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伊藤side
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「やあ、おかえり」
朝起きて、隣でまだぐっすりと寝てる柚月くんを起こさないように部屋を出て行き、リビングに行ったら俊介がすでにそこにいた。
「ガキは寝てるんだな?」
ガキって…
この前はちゃんと名前で呼んでたのに…
もしかしてこの男は柚月くんを名前で呼んではいなかったのかな?
だって柚月くんってば名前で呼んだら最初の頃はちょっと戸惑って「僕を呼んでるんですか?」なんて聞いてきたから…
「うん、寝てるよ。で、早速だけど、なんで柚月くんはあんな感じなの」
「あんな感じ?」
「うん。君にもわかるだろう?柚月はもうすぐ19歳になるんだよ?なのに中身は小学生並なんだ。彼は高校まで行ってたはず、なのになんであんな感じなんだい?」
「ああ……」
ああって…
なにも答えてないのに納得した顔をしてる。
やっぱりこの男の仕業だったんだね。
「体の成長については俺が悪いと思ってる。小学生で一人暮らしさせたからロクなもん食ってないんじゃねえ?」
え、
体のほう?
僕が言ってるのはメンタル的な事だったんだけど…
「っていうか小学生を一人にさせるって…はぁ、やっぱり君は最低な人間だよ…」
「わかってる」
「じゃあ、あの子供っぽい喋り方とか動き方はなんなの」
「それは…俺にもわからない。最初はそんなんじゃなかったんだよ、でもいつの間にかああなってた」
最初はそんなんじゃなかった…か。
じゃああれは柚月くんが自分でそう振る舞ってるのかな?
でもどうして?
「心当たりは…あるんだけどな」
そう呟き、自分で買ってきたのか、手元にある缶コーヒーに口を付け、小さく溜息をしてからこう言った
「俺はあいつを柚の代わりにしてた。」
と。
柚さんの代わり?
「セックスだけの事じゃねえよ。あいつは俺の息子じゃなくて、死んだ柚の代わりだ。って言ってやった」
そっか…
あれは子供っぽいってわけじゃなくて…
柚さんの真似をしていたのか…
たしかに柚さんは子供っぽくて…
そっか…柚月くんは自分自身を殺してでも俊介に愛されたいと思ってたのか…
「柚月くんは君の事、愛していると思うよ」
「知ってる」
「え?」
知ってるって?
「言ってた。俺が好きだって。」
好き?
う、うん…確かに僕もお父さんの事は好きだったよ?
でも俊介の言い方じゃまるで
柚月くんが俊介を恋愛的に好きって言ってるみたいじゃん。
でも、ありえなくもない。
だって、この親子、セックスとかしちゃってる仲なんでしょ?
「でもあいつはセックスが好きなだけだと思う。だから殴った」
「はぁ!??」
「ふっ、淫乱に育て上げてしまったせいでこうなったよ。一発ヤってみるか?」
なんだよこいつ…
さっきまで心配してるのかと思えば…
なんでこんな事を言えるのか?
どうしてこいつには届かないんだ?
柚月くんの好きは決してセックスだけの事じゃない事を。
悔しくて…
柚月くんが可哀想で…
でも僕には手を思いっきり握る事しかできなかった。
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