アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
家族の意味
-
「なんで…」
ヒヤッとしてる気持ちの中、口からこぼれた言葉はそんな一言だった。
色々と聞きたいのに頭は真っ白になって、
再婚が何かとも理解ができないくらいだった。
ただ解ったのは、俊介さんは僕だけじゃダメって事…
「お前も、もう大人…なんだけど…やっぱり母親って大切な存在だと俺は思う。
お前はよく柚にも懐いてたし、柚が亡くなって落ち込んでたのは俺よりもお前だった。」
「でも、そんなの今の僕は知らない。僕、俊介さんしか知らない」
「うん。だからね、柚月にお母さんという存在をもう一度思い出してもらいたいんだ。
俺だけじゃ出来ない事も沢山あるんだ…
わかってくれるかな?」
俺だけじゃ出来ない事…
ね。
やっぱり俊介さんにとって僕は、とても面倒くさい存在なのかな?
俊介さんも、まだ若いもんね。
仕事の帰りに呑みに行ったりしたいよね。
女の人と色々やりたいよね。
俊介さん、男だもん。
僕なんかじゃ満たせないよね。
再婚するって事は、俊介さん…好きな人がいたんだ…ね…
「そうだね…」
だって、この人は…僕の父親なんだから。
「僕も、新しいお母さん…見てみたいな」
だから僕は精一杯笑う事にした。
ちゃんと笑えてるかな?
俊介さんを困らせちゃダメなんだから…
捨てられずに済んだんだから、
わがままなんて言えないから…
『再婚しないで…』
って言いかけた言葉を飲み込んで
「また家族が揃うね、父さん」
と心にも無い事を呟いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
39 / 121