アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
新しい光
-
「今日からお世話になります、芹沢柚月です。よろしくお願いします」
バイト初日目、最初は見学だけで、掃除とかを頼まれるって前に聞かされた。
「よろしく。俺はここのスタイリストをやってる、桐島純平だ。バイトで入ったの?」
爽やかな青年って感じをしてる人に声をかけられた。優しい人なのかな?
伊藤さん以外の他人に会うのはやっぱり緊張する。
「あ、はい。バイトです。」
「よろしく。芹沢くんでいいのかな?」
握手するのかな?でも何故か左手を差し出してきた。え、左利きなの?
でも、僕、左指ほとんど無いし…気持ち悪がれるだろうし…
でもこのまま右手を出したらなんか、この人に失礼そうだし…
そろっと左手を出したら一瞬桐島さんが息を呑んだ気がして
「あっ、ごめんね」
って言って、僕の左手を両手で握ってきた。
「い、いえ…こちらこそなんかすみません…」
「ううん!芹沢くんは悪く無いよ!全然!」
こんな手を見せちゃって申し訳なくなった僕を見てテンパってる桐島さんがなんか面白くて小さく笑みが溢れた。
「桐島先輩、新入りイジメですか?かっこ悪いですよ」
そんな僕たちに声を掛けたのは"綺麗"って言葉がよく似合う男性だった。
「虐めてねえよ!」
「どうですかね?あ、俺はここのメイクスタイリストしてる、橘あきらです。基本的に俺も忙しい人じゃないからなんかあったら俺んとこ来てね」
「あ、はい。」
頑張ってね、って手を振って2人はフロアに上がっていった。
優しそうな人ばっかりだな。
よかった。
あ、そういえば桐島さん…僕の手の事みんなに言っちゃったりしないかな?
別に秘密にはしてないけど…やっぱり家の事情とか聞かれるのは嫌だから…
そんな事に悩んでたら「芹沢くん」と低い声で呼ばれた。
「あ、店長さん」
「店長にさん付けはいらないよ。どう?みんなには挨拶してきた?」
「あ、さっき桐島さんと橘さんに…フロアに出て行くのはなんか恥ずかしい…というか…その…」
だってお店はもう開いてるからお客さんがいるんでしょ?なんかそこに出て行ったら恥ずかしいじゃん…
「うーん、人見知りも可愛いけど一応君も仕事しにきたんだからみんなに顔出さないとね」
「そう…ですよね…すみません」
「いや、別に怒ってないよ?まあ、俺に付いてきて」
そう言って僕の前を歩いていった。
やっぱりフロアに出てきて…
うぅ、人…結構いる…
「店長、おはようございます。今日は早いですね。」
「うん、バイトの子が入ってね、みんなに紹介しようと思って。ほら芹沢くん、挨拶」
トンと背中を押されて前に出る形になってしまった。
どうしようもないからここは男気だして挨拶するしかないか…
「今日からバイトで入ります、芹沢柚月と言います。よろしくお願いします」
「私はミカね。よろしく、芹沢くん」
フロントでカルテをめくってる人が最初に自己紹介した。
髪が長くて毛先がピンク色に染まっていて、顔は上品で、メイクもあんまりしてなさそうでも…僕より背が高く、何故か男らしさを感じた。
こういう女の人だったら僕でも彼女にできるかも。
「芹沢くん可愛すぎるぅ。」
「うわっ」
そして僕にいきなり抱きついてきたのは、ショートヘアでメイクもバッチリしてる女の人。
「カナさん…芹沢くん怖がってますよ」
「だって、可愛くない??息子にしたい」
「子供5人も産んでるんだからもういいでしょ」
え?若そうなのに5人も?
「えへ、よろしくね。カナさんって呼んでね。ちなみに私今年で43歳」
「えぇ!!てっきり20代だと…」
「よく言われるぅ。メイクの下はシワだらけよ?」
メイクってすごいんだね。
あ、メイクよりも女性が凄いんだね。
ーーーー
ここに出てくる桐島純平は別のお話にでてくるあの人です。
あれから数年が建っていますからここの純平くんはもちろん、高校生ではありません!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
40 / 121