アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
伊藤side
-
否定も、抵抗もできたはず。
何せ、僕はホモではないのでね、
男を抱いたりする気にはなれない。
だけど、何故かこの子のお誘いには断れなかった。
後々後悔するかもしれない。
どちらも。
俊介にしか抱かれた事のない体を、
自ら違う男に捧げた事を。
多分、この子は本心で言ったわけじゃない。
感情的になりそんな事を告げてしまっただけだ。
自分も、別に抱きたいと思ってない。
体だけの関係なんて僕には無縁だ。
こういうのは愛し合ってるから行う行為だと思ってる。
普通の恋愛しか経験していない僕が、どうして…
どうして、彼のお誘いに乗ってしまったのかわからない。
恋愛感情なんて一切ない。
愛おしいとは感じるが、それはあくまで小さい子供を宥めるみたいなアレだけだ。
「あっ……しゅん…すけさっ……んぁぁ…」
友人の息子を自分の手で汚していく趣味もない。
自分の物にしたいなんて思った事もない。
なのに
「僕とシているのに違う男の名前なんか出さないでよ」
「柚月くんが望んだんだからね」
自分を見て欲しいなんてくだらない欲望が湧いてきて、
このまま俊介を忘れればいいのになんて思ってしまって、
僕の下で涙を流しているこの子が、
綺麗
だと感じた。
ーーーーーーーー
ーーーーー
ーー
「ぅぅ…」
「どう、後悔してる?」
事が終わった後、柚月くんの体を綺麗に拭いてあげて、後ろがちょっと切れてしまったから薬を塗ってあげた。
その間ずっと枕に顔を埋めていたので、多分早々後悔し始めたんだと思う。
はぁ…
「あんな事僕以外に言ったらダメだよ?柚月くんは可愛いんだからもっと酷い事されちゃうかもよ」
「伊藤さんがまさか本気にするなんて思ってませんでしたよ。」
「えぇー、僕も男だよ?そりゃセックスできるならやるよ」
「伊藤さんはそんな事しなさそうなイメージがありました」
まあね…
僕もこれだけは自分でもありえないと思ってた。
男って生き物はやっぱり、
下半身で考えるもんなんだろう。
「僕の事嫌いになった?」
「そんな事ないです。むしろ好きになったかもしれません」
「そりゃ困るねぇ」
「あ、違う違う。そういう意味じゃなくて、
伊藤さんが抱いてくれたおかげで解ったんですよ。
僕、セックスだけじゃなくてやっぱり俊介が好きって事。
伊藤さんとのセックスもよかったんですけど、やっぱり俊介とシてた時となんか違うんですよ。」
「ふーん」
なんだろう、ちょっとイライラする。
「でも、セックスが好きってのは間違ってなかったです。
後悔っていうか、長い間セックスしてなかったから気持ちよくなって満足しました。
ありがとうございます」
「そう?じゃ、暇になったらまた僕に抱かれる?」
「いいけど」
「はは、君は俊介が言ってた通りに淫乱だね」
わざとそんな相手が傷つく言葉を吐いた。
そうやって俊介を嫌いになればいい。なんて思ってる自分は最低なんて事は解ってる。
でも、僕は一体柚月をどうしたいのかは
わからなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
44 / 121