アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
「ただいま…」
「おかえり柚月くん」
僕を出迎えてくれたのは
見たくもなかった人だった。
なんでこの人がここにいるの?
「えっと…」
「俊介さん、今日は遅くなるって言ってて、だから柚月くんのご飯作ってあげてって頼まれたの」
むかつく。
僕が考えてた事なんてお見通しみたいなその態度。
「そうですか…僕、先にお風呂入りますね」
それだけ伝えといて僕はスタスタと部屋から着替えを取り風呂場へ入った。
ーーーーーーーー
ーーーーー
ーー
風呂から上がったらダイニングに…
まあ、美味しそうな食べ物が並んであった。
いかにも和食っていう感じの盛り合わせだ。
「これ、優香さんが全部作ったんですか?」
「そうよ?ほら、暖かい内に食べて?」
「いただきます…」
地味に見えて割と豪華なんだね。
肉じゃがを口にしたら美味しくて…
多分俊介さんはこの人のこういうとこにも惹かれていったんだなと思った。
僕には料理も無理で、
やっぱり僕とこの人の差は縮まらないんだね。
って、なに時期母親になる人と競り合ってるんだろ。
「デザートも用意したんだけど、桃ゼリーとか好きかしら?」
桃ゼリー…
そういえば伊藤さんに前に食べさせてもらったやつだ。
「はい、好きです」
「俊介さんって柚月くんの事ならなんでも知ってるんだね」
「しゅ……父さんが?」
この人が俊介さんの名前を馴れ馴れしく呼ぶからつい釣られてしまいそうになった。
「うん、俊介さんが柚月くんは桃ゼリーが大好きって言ってたわ」
大好き…って事でもないんだけど…
多分伊藤さんが言ったんだろうね。
ご飯もデザートも完食して、優香さんは俊介さんの分のをラップして帰っていった。
本当に僕に食べさせるだけだったんだ…
いい気はしないけど、
優しい人って事は嫌でも解った。
俊介さんにこの料理を食べてもらいたくなくて、
お皿ごとゴミ箱に捨てた。
あーあ、俊介さんが帰ってきたら怒られるの決定しちゃった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
48 / 121