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伊藤side
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芹沢家に追い出されてから…
いや、追い出されてないけど、行きづらくなってから2週間。
そろそろ顔を出してもいいかなと思う。
なんだろう、なんか柚月に会いたいというか…心配?
多分心配してるんだと思う。
だってね、また虐待とかにあってたら大変でしょ?
柚月くんの看病代も貰ってないし!
そうだ…よね。
柚月に会いたいからってなんか違うと思うし、それはナイナイ。
そんな事で悩んでたらいつの間にか芹沢家に着いてしまって。
あー、やっぱり俊介に連絡いれとけばよかったかな?
でもそんな事したら『来るな。』で終わっちゃうからねぇ。
勇気を出してインターホンを押した。
しばらくしたらガチャっと玄関が開いて…
知らない人が出てきた。
あ?え?
家間違えた?
そんな事ない。
じゃあ噂の再婚相手さん?
「あ、いきなり来てすみません。俊介の友人の伊藤と申します」
「俊介さんならお仕事の方に…」
「いえ、実は柚月くんに逢いにきたんですけど…」
「柚月くんもまだバイトから帰ってきてなくてですね…」
家に上がらせる気無しかい。
というか、俊介もなんなの。
見ず知らずの…
いや再婚相手だけども、
あんまり深く知りあった訳でもない人を留守の家に上げるとかどんだけ?
特別綺麗なわけでもないのに。
「じゃ、じゃあ…出直しますね…」
「上がります?柚月くんももう少しで帰ってくると思いますし」
「は、はあ。じゃあお言葉に甘えて…」
帰ろうとすると呼び止めるとかなんだろうこの人…
疲れる。
「コーヒーでいいですか?」
「あ、はい。ありがとうございます」
気が効くようで…でも僕の向こう側に座ってジーっと見つめてくるのはどうにかしてほしい。
なんだったらキッチンでなんか作る振りでもしたらいいのに。
視線を感じすぎて気持ち悪っ
「伊藤さんでしたっけ?」
「はい…」
「柚月くんの何かを知ってるんでしょうか?」
「何か…というと?」
「その…左手とか…首にできる痣とかの事です」
左手は…アレしかないけど。
首にできる痣?
蚊に噛まれたとかじゃなく?
「あせもとかでは?最近物凄く暑いですし」
「あせもだったらいいですが、あれはどう見てもそういうのじゃないと思うんですよ」
「どんな感じか言えますか?」
「赤黒いというか…青っぽいというか…痣っぽいんですよ。なんかの病気とかでしたら早めに診てもらったほうがいいと思いますし、俊介さんもわからないとおっしゃるので…」
赤黒い…青っぽい…痣っぽい…
そして、首に。
そして俊介がノーコメント。
痣しかないよね。
普通の痣じゃなくて、
付けられた痣。
痣というよりマーキング。
「そうですか…後で診てみますね」
俊介は何を考えてるんだろう。
そしてとてつもなくイライラする。
柚月くんに触れて欲しくない。
そんな事が一瞬だけ頭をよぎった。
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