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仲直り
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仕事は早く終わったのに部下が「芹沢さん、ちょっと飲みに行きませんか?ちょっと…落ち込んでるんです。奢りますから話聞いてください」って頭下げられたから…しかたなく付いて行ってやった。
さすがに奢られるまでは遠慮したけど。
仕事について行けなくて、彼女との時間もなくなって気付いたら別れを告げられてたという良くある話をされた。
正直早く帰りたいんだが。
柚月が途中で落ちちゃって、まあ間違って呑んじゃったなんて言ってたからな。
でももし二日酔いに苦しんでたらどうしようかと思う。
頭痛とか、吐いてたらどうしようって心配だし、柚月には携帯とかもたせてないし…メアドも教えてないからパソコンからメールもできない…
はぁ…
しかも怒ってた途中で寝落ちされたから今頃泣いてたらどうしよう。俺がまだ怒ってるかと思ってるかも。
それはそれで可愛いけど。
「芹沢さん……結婚してたんですか!!」
「は?」
「指輪!」
「あぁ…」
そういえばまだはめてたな。
外す理由もないし。
「遠くへ行っちまったけどな」
「あ、なんかすみません」
「いや、もう何年も前の話だ。気にすんな」
「新しい恋とかは作る気ないんですか?」
新しい…恋…
か。
新しい家族は作りたいが、
恋はいらない。
柚を今でも愛してるし、
他に愛する人なんて……
「柚月…」
「はい?」
「あ、いや…」
「ゆずきさん?気になる子ですか?」
「バカ、息子だ。家で待ってるから今日はもう解散だ。帰るぞ」
「あっ、まってくださーーい!!」
愛する人と考え柚月が頭に浮かんできた。
そりゃ実の息子だ。愛があるに決まってる。
でも俺と柚月はそんな関係じゃない…
こんなんじゃまるで俺は…柚月を……
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