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仲直り
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柚月が心配で急いで帰ってきたら、リビングの奥から泣き声が聞こえた。
「柚月?」
声をかけても返事が返ってこなく、でもこの声は柚月の声に違いない。
部屋が真っ暗で、柚月が嫉妬で優香さんが作った物を捨てて謝ってきた日を思い出した。
柚月は真っ暗な場所が苦手だ。
幼い頃から、寝るときも明るめなルームランプがないと眠れなかった。
俺の勝手で監禁してた時も、いつも暗い部屋にいて怯えていたのは知ってた。
「柚月?出ておいで」
「……っ…ぃ」
泣き声はキッチンの方からしてきて、近付いていく度、柚月はただ泣いているだけじゃなく、何か呟いている事に気付いた。
「柚月?」
「いやああああぁ!!っ……ごめっ……なさい…」
「おい、どうした!?」
「ごめなさっっ……うぅっ……も、いやっ」
「おい!柚月?」
床に倒れこんで泣き喚いてる柚月の元へ行き、抱き締めてあげようかと手を伸ばしたら、恐怖で怯えた顔を上げて俺の手を叩き拒絶した。
「柚月?」
「ぅぅっ、ごめっー
怯えた表情で必死に謝ってくる小さな体を見て、
また俺のせいだ
と思った。
俺のせいで柚月は今、泣いている。
本人からは聞いてないけど、俺にはわかる。
この表情が…
あの日の姿に重なるから。
「大丈夫…柚月…大丈夫だよ…痛くしないから」
だから、多分俺が今、口で謝っても聞いてくれないし、聴こえないと思うから…
ごめんな
本当にごめん
もうしないから
大切にするから
泣かないで
そんな気持ちを込めて、震えてる体を温めるように抱き締めた。
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