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「みーことっ」
「んー?
はっ?淳!?」
「あはは、おうおう、元気じゃん」
「え!?マジで本物!?」
「偽物がいる訳ねーじゃん…よしよし、俺が来て嬉しいか?」
あははーって笑いながら俺の頭を撫でてるのは俺の親友の野田淳。
小学生からの付き合いで、こいつはアレだ、クラスに必ず居る、何故かすごいモテる男。俺から見たら特別イケメンなわけでもないんだが、何故かいつもモテた。
なんでそんな奴と親友になったかっていうと、2年生の時、遅刻したから廊下に立たされた時、こいつも遅刻したらしく、2人で立った。そしてそん時仲良くなった。
実にくだらない理由だったけど、そんなキッカケがあったからこそ俺は淳と親友になれた。
今思えばいい思い出だったな。
「いつ東京に!?」
「昨日。大学こっちだから」
「マジで?うわー、久しぶりすぎてどうすればいいかわかんないかも」
そう、そんな親友と、距離が離れたのは淳が中二ん時に栃木に引っ越したから。
最初はメールだの電話だの休みには行くからな!って約束してたけど、いざ離れると…ねぇ?お互いの存在すら忘れてしまうんだよね。
「なんでここにきたんだ?」
「なんでって…当たり前じゃねーか。尊に逢いたくて昨日寝れなかった」
「子供か!でも、ありがと。嬉しい…」
「デレ!?デレてるの?かーわーいーいー」
「うっせ。病人の前で大声出すな」
「こんな元気な病人がいてたまるか!」
笑いながら俺と、昔と変わらないように喋ってくれる…
だから、隠してなかった、まぁ…ハゲてる頭を撫でられても嫌な気分にならなかった。
「尊くん?」
「あ、先生」
「お客さんかな?」
「あ、どうも」
「俺の親友。淳っての。」
「こんにちは、淳くん。これから診察に入るんですよ」
「あ、そうですか。じゃあ、待ってますよ。
尊、下で待ってるな?頑張れよー」
「え、いいよ。帰れば?また来ればいいし」
「えー、もっと尊と一緒にいたいし。待ってるからはやく診てもらえ」
「う、うん…じゃ、後でね」
車椅子が用意してあって、いつもはナースが慣れた手つきで俺をゆっくり座らせてくれるんだけど、今日は淳が「俺がやるー」って、ニヤニヤしながら楽しそうに俺を運んでくれた。
「なに喜んでんの?」
って聞いたら
「医者になった気分」
ってガキっぽいとこが昔と変わらなくて、いつの間にか俺まで大笑いしてた。
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