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人間って死にたいって思えば思うほど生きてる感じがするんだよね。
自分の人生を否定するほど今の人生があるって思える。自分がなに言ってるのかよくわかんないけど。
逆に生きたい!って思うほど死に近づくみたいな?
そんな感じがする。
最初に言われた3ヶ月。
そん時はすげえショックだったし、怖かった。もっと生き延びたい気持ちがあったから時間が経つのが早かった。
一週間が過ぎる度ビビって。
あ〜あと何日かで俺は死んじまうんだな
そう思ってしまう。
前も今も死が決まった人生はつまんなかったけど、今は生きてく方が怖くなった。
あとどれだけ傷付いたらいいんだろう。
あとどれだけ惨めな思いをしたらいいんだろう。
あと何回先生と会わないといけないんだろう。
そんな事ばっかりだから。
もともと病人が恋をするなんて可笑しい。
あともうちょいで死ぬのに、恋?
なにを今更って感じだ。
しかも医者に?
先生が俺に優しいのは俺がもうすぐ死ぬから。
あと、子供だから。
多分父親的な優しさ?そういうのだと思う。
死ぬ前にいい思い出を作ってあげたい。
そんなとこだろう。
なのに俺はそれを間に受けて……
もしかしたら先生も…
なんて事思っちまった。
「ははっ、俺バカ丸出しじゃん」
なに勝手に嫉妬してんだ。
でも…
わかってるからこそ辛いんだ。
ダメなのに。
無駄なのに。
好きになってもいい事なんて無いのに好きになっちゃったから。
好きをやめたいなんて、そんなことできないから。
先生に触れられるとドキドキするのも、俺の弱い部分を見せれるのも全部、先生が好きだから。
先生に好きになってもらいたい。
残った2ヶ月、先生に愛されたい。
そんなふうに思うのもダメな事なの?
俺が…病気になんかなってなかったら…
「愛してもらえたかもしれない…」
そう呟いた俺の声は、誰にも届かなかった。
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