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それからも、尊くんはよく血を吐くようになって、痣も顔にまで広がっていった。
ボーっとしている事が増えて、ときには体が麻痺していて、全く動けないらしい。
話しかけても返事をしない。というか、声が聞こえない…意識がない…そんな時も増えてきた。
でも、ちゃんと意識がある時には、綺麗に笑ってていてくれて、
「せんせ…すきっ」
って毎日告白される。
可愛いな〜ってすごく思うし、たまーに柚月くんより可愛いかもと思う。
あ、柚月くんと比べたらダメか。
でも、いくら可愛いって言っても…
可哀想だからっていう理由で付き合ったりはしない。
そこは大人の僕がちゃんとしないとね。
もし僕も好きだとしても…未成年とお付き合いなんかしたら大問題だよ。俊介になんも言えなくなる。
柚月くんより年下だし、僕のがヤバいかもしれない。
「せんせっ」
「んー?」
「すき」
「うん。しってるよ」
「……俺の……こと……すき?」
「好きだけど、そういう意味じゃないかな。
ごめんね。でも、僕は中途半端な気持ちでは答えないよ」
「しってる……ありがと……せんせ…ゆずき…さん…すき?」
舌もあんまり回らなくなって、舌足らずな喋り方になってるのに、僕に一生懸命話しかけてくる姿がすごく可愛いと思った。
ずっと喋ってるのもしんどいはずなのに…
「よくわかんない。多分、柚月くんの事好きだけど……付き合いたいとかじゃないと思う。ただ、好きなだけ。」
「……おれ……かわいい…ら…?」
自分が可愛かったらっていいたいのかな?
はぁ…
「尊くんは可愛いよ。すごく。
すごくすごく可愛い。
自信もってって言ったでしょ?」
「うん………せんせ…っ」
くたっと力が抜けたようかに眠り始めて、やっぱり喋ってるの疲れてるじゃんって思った。
でも、尊くんの顔を覗き込んだら、どこか、嬉しそうな…幸せそうな顔をしていた、気がした。
そんな表情を見せてくれて、なんだか僕まで嬉しくなって…愛おしく思えて、
決して恋愛感情ではないけど
愛しいのは確かだ。
そんな彼の額に触れてから、
キスを落とした。
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