アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
《緩やかな決着》18
-
「えー、ダメ間違って薬入ったらマズいから」
首を振って言うアキラ。
「じゃ、刺す真似で勘弁してくれ…できることならアキラを刺したくない」
真剣に訴えるみずき。
むやみにアキラを傷つけたくない…
「意気地なし…」
ちらっと瞳を覗き込んで言ってみる。
「…っ、すまない」
アキラの言葉に少し落ち込んで謝るみずき。
「ばーか、真面目にあやまんな、人に注射すんのは結構こわいモンだしな、じゃささなくていいから超スピードでセッティングしてみて、発作起きたら早くうってほしいから…」
ちょっとからかっただけ、と微笑みみずきの頭を撫でるように触れる。
「あぁ、分かった…」
アキラの言葉に安心して頷く。
「はい、じゃ用意、スタート!」
「……えぇと、これをつけて、空打ち…で、メモリ10…フタをとって…これで消毒して刺す…だな、」
真剣に取り組むみずき…
アキラは優しく見守る。
なんとか出来てアキラと瞳を合わせて確認する。
「そ、合格。まっすぐ、血管避けて注射な。発作起きたら頼むな」
自分でふともものこの辺りに刺して、と身振りで教えながら…微笑むアキラ。
「あぁ…アキラが楽になるなら…しかし、注射はどのくらい痛いんだ?」
「全然、痛くないから平気。まぁ血管に刺したらちょっと痛くて血もでるけど…針が細いからすぐ止まるし、大事にはならない…なにより発作の方がツラいから…迷わず注射してな…」
「あぁ、わかった…」
二回ほど頷き、答えるみずき。
「…オレと付き合ってたら…普通しなくていいこと…したくないことまでしなきゃならないよな」
「アキラ?」
「きっとみずきは嫌になるよ…」
いつかは…そうなる。
オレの病気は複雑だから…脳に影響でる薬も増えてくるだろうし…
自分を保っていられるのか…分からないから…
「そんなことは…」
すぐ否定するみずきだが…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 246