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《緩やかな決着》28
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「あぁ、パスタだが…アキラ、俺が作るから休んでいてくれ」
今倒れたばかりなのに無理をしてほしくない…と頼むが…
「平気だって言ってるだろ…」
少し怒ったように言葉を返してくるアキラ。
「アキラ…、無理をしないようにな…」
それでも優しく心配するみずき。
そんなみずきを見てアキラは…
「……分かってる、ごめん」
今のは八つ当たりだな…とちょっぴり自己嫌悪して謝るアキラ。
「謝らなくていいから…」
優しく肩を抱き寄せながら囁くみずき。
「ちょっと…ゾッとして…」
ぽそっとみずきの腕の中で呟く…
「え…」
「歩けなく…なったかなって…」
そっとみずきと瞳を重ねて伝える。
いつかはそういう日がくる…それは覚悟していることだけど…
実際になったらやっぱり否定したいし…信じたくないから…
……今回はすぐ歩けた…
けれど、次歩ける保障はどこにもない…
そんな不安が心を縛る。
「…アキラ、」
「歩けてるうちに…できることしたいから…手伝わせて、な、みずき」
身体を蝕むものはなくならない…だから少しでも元気なうちに…できることをしたい。
「あぁ、わかった…、けれどあまり無茶はしないでくれ、それで身体を壊したら元もこもない…」
前向きなアキラの気丈な言葉。
しかし、心の内にある不安な気持ちも痛いほどわかる。
その不安な心を打ち消すように…アキラをぎゅっと抱きしめながら…アキラの気持ちを優先させる。
でもやはり身体を案じて無理をさせないように頼むみずき。
「うん、分かってる、アリガト」
ぽそっとお礼を付け足しみずきの耳元へキスして、アキラはキッチンへと足を進める。
みずきもさりげなくアキラを支えながら歩いていき…
一緒に夕食の準備をはじめる。
今までにないことだったので、やはりアキラの体調を気にしながら過ごすみずきだった…。
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