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《緩やかな決着》34
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少し帰宅が遅くなってしまったアキラ…
「ただいま…」
出迎える犬たちを優しく撫でて言う。
「あ、…おかえりアキラ。大丈夫だったか?」
みずきは待っていたのか、すぐアキラを出迎える。
「うん、オレは平気。お前こそちゃんと休んだか?昼も夜も働いて、身体壊すなよ」
アキラは普通に微笑んで返し…働き者を心配してみる。
「あぁ…大丈夫。ありがとう」
みずきはアキラの頬に触れようとするが…
「……」
そっと触れてくる手を自然な動きで避けて…
キッチンへ向かい、お茶を飲むアキラ。
「アキラ…?」
避けられた?不安になって名前を呼ぶが、アキラは普通に言葉を返す…
「もう仕事の時間だろ、いってらっしゃい、気をつけてな」
手だけ振って見送る。
「あぁ…」
いつもキスをして出掛ける習慣なのだが…
アキラが離れてしまったのでできそうにない…
フミヒコと何かあったのだろうか…?と勘繰ってしまうが…話したくなさそうなアキラの様子から直接は聞けないみずきだった。
みずきを仕事に送り出して犬たちを相手に考える。
やっぱりみずきにすべてを話すことはできない…でも、みずきの将来のためにはこうする方がいいから…
こんな未来もなにもない人間に尽くすより…絶対いいから…
これが最後の嘘になるように…
フミヒコから、提案について詳しく話しを聞いて…アキラはその通りに実行していく…
まずはみずきを催眠術師のもとへつれていかなければならない…
怪しまれないように…
そのため、しばらくみずきとの接触を避けるよう言われた。
意味もなく距離を置かれた相手は不安になる、そういう時に優しく誘えば、怪しむことも忘れ必ずついてくる。
会話のプロであるフミヒコの作戦のひとつ…
みずきと接触を避けはじめて数日が経つ…
あまり触れたがらないアキラを心配して、遠回しにみずきは聞いてみたりするが、アキラは軽くかわすばかり…
すれ違いの生活の中で…じっくり話し合えない二人。
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