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《遠退く想い》9
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「おーヨシ、いらっしゃい!」
ルードも手を振り返しながら戻ってくる。
「HAPPY BIRTHDAY!ホレ、プレゼント」
ヨシは持っていた袋をルードに手渡す。
「えっマジでくれんの!?」
「くれっていったろ?まぁ来がけに買ったからたいしたもんじゃねーけどな!」
にっと笑って言う。
「うお!しかもこれ俺が欲しかったアルバムじゃん!Thank you!ヨシっ!」
早速中身を確認して喜ぶルード。
「はは。それ欲しがってたの覚えてたからな‥」
そう爽やかに笑うヨシ。
「……」
仲よさ気なヨシとルードの姿を見て、なんとなく面白くないなぁと思いながらも、割り込んでいく元気もないので、ため息をひとつだけつく…
「あ、アキラ、お待たせ!大丈夫だった?」
ルードは気付いて話し掛ける。
「ん、平気。料理の材料費出すよ、お前の誕生日だし…いくらだった?」
「え、いいよー」
「四人分はけっこー高くつくだろ?俺も出すからレシート見してみ?」
ヨシも話に加わる。
「はい、いいから」
レシート出して、とアキラも促す。
「わかった、ありがとう、二人とも!」
頷いてレシートをアキラに見せるルード。
「なーんだ酒買ってねぇのか…」
アキラの手元のレシートを覗き込んで言うヨシ。
「なんで酒?」
料理酒ならあるけど…と付足しルードが聞き返す。
「誕生日パーティーに酒はつきものだろ?」
いや、料理のじゃなくて…と、ぽそっと返しながら聞く。
「パーティーってほどのモンじゃないって‥みんなでご飯食べるだけ!」
「でもなぁ…」
ヨシは首を傾げて言う。
「酒弱い癖に酒酒いうなよな…」
やれやれとアキラはポツリと呟く。
「んだと、」
またムカっとしてアキラを見るヨシ。
「しかも飲んだら運転できないだろ、バカ…」
そして続けて言う。
「なっ、いちいちムカツクなぁ、別にルードんちに泊まっていけばいいだろ!?」
「勝手に決めんなよな…」
アキラは、またひとつ、ため息つきながら言う。
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