アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
《遠退く想い》12
-
そんなどうしようもない気持ちを振り払い、ルードの部屋を目指す。
「ルード?」
204号室を覗いてみる。
「あ、上がって!アキラっ」
キッチンで買い物したものを片付けながらいうルード。
「お邪魔します、あー、ルードらしい部屋だな…」
中は1Kほどで、手前に小さいテーブルと奥にベッドが置いてある。
「そう?ま、そんなにちらかってないだろ?」
「そうだな、特にキッチン周りは綺麗にしてるな」
やや服が雑然と置いてあるが…さすが料理好きなルード、キッチンは綺麗だ。
「そりゃもちろん!あ、その辺座ってて、コーヒー出すから!」
「いいって、」
「ううん、美味しい珈琲豆貰ったから飲んでみてよ!」
「え、豆からいれてんの?」
ちょっと驚くアキラ。
「そう、コーヒーメイカーこの前、福引きで当たったんだ!んで友達に珈琲豆分けてもらった、やっぱうまいよ!」
「へぇ、すごいな…」
「これセットしたらそっち行くからアキラ座って待ってて!」
「ん、分かった」
椅子はないルードの部屋、アキラは、小さいテーブルの近くの床に座って壁を背もたれに休む。
「アキラ、コーヒーおちるまで少し待ってな!」
ルードは笑顔でコーヒーメイカーをセットしてアキラの元へ戻ってくる。
「慌てなくていいよ、ルード。なんか嬉しそうだな…」
「そりゃ俺んちにアキラがきてるんだから嬉しいに決まってるだろ!」
「ルード…」
「マジ、みずきと別れたら一緒に住もうよ、前みたいにさ!」
何気に誘ってくるルード。
「ふっありがと…でも、もう一緒には住めないよ」
アキラはやんわり微笑んで断る。
階段も満足に登れない自分じゃ…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
63 / 246