アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
《遠退く想い》23
-
明後日にはみずきを催眠療法士のところへ連れていく…
そうしたら…
もう、みんなで集まることもなくなる。
ルードに会うこともなくなる…
最後だから…嘘をついて別れたくない…
オレの好きだったルードへ…
ありがとう…
「っ…アキラ?」
突然のキスに驚くルードだが…
「アキラっ!」
さらにみずきも驚いて、反射的にアキラの肩を引いて止めていた。
「バイバイ…」
みずきの行動には何も言わず、ルードにそうお別れを言い、優しく微笑んで…
そのまま階段の方に歩き出すアキラ…
「……」
一瞬言葉をなくして瞳を探り合うルードとみずきだったが…
「……、アキラ!」
みずきはすぐアキラを追って行く…
「……」
俯いて歩くアキラに追い付き声をかけるみずき…
「アキラ…」
「酷いヤツだろオレは…みずきがいるのに…あんなことして…」
俯いたまま話すアキラ。
「……」
何も言えないみずき…
「……本当に、嫌いになればいいんだ…これが、オレだから…」
ぽそっと独り言を呟くように言う…
「アキラ…」
首を振り、アキラの言葉を優しく否定しながら…名前を呼ぶみずき…
「…っ、」
自分で言った言葉だけど…苦しくなって…
みずきを傷つけたいわけじゃないのに…
でも、ルードと…お別れのキス…
オレのケジメだったから…
ごめん、みずき…
心の中で想うこと…みずきに伝えようとはせず…
目の前の階段に視線を向け…唇を噛む…
今の自分は…この階段を上手く降りられるのかも分からない…
こんな自分…
いっそ、転げ落ちて打ち所が悪くて死ねたら…
そんな自暴自棄な気持ちに支配されるアキラ…
「どうした?」
階段の前から動かないアキラにそっと声をかけるみずき…
「……」
その声に押されるように…
右手で手摺りを持って一歩踏み出すアキラ…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
74 / 246