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《遠退く想い》27
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そっとみずきの肩に腕を回し、ぎゅっとつかまるアキラ…
みずきはアキラを抱きかかえるように、ゆっくり立ち上がらせる…
なんとか両足で立つことが出来たアキラ…
「…アキラ?」
抱き付いたまま、離れないアキラを不思議に思い、名前を呼ぶみずき。
「…アリガト、」
ぽつりと顔を伏せたまま言葉にする…
「…あぁ、いいから、乗れるか?」
優しく微笑んで、みずきはアキラの顔を覗き見て答える。
「……ん、」
また小さく頷くアキラ。
みずきに手伝われながらゆっくり車に乗り込む…
そうして、ヨシの車に15分ほどゆられ…
アキラのマンションへ帰りつく…
「アキラ…着いたが、大丈夫か?」
そっと窺うみずき。
「ん…、」
アキラは疲れからかみずきに寄添いうとうとしていた。
「降りられるか?」
もう一度確認するみずき。
「大丈夫…」
ふと顔を上げたアキラ、後ろを気にして見ていたヨシと視線が合う。
「…早く帰って寝てろ!そんな貧血ヅラ見ていたくねーって、」
とりあえず、ツンケンした物言いなヨシ。
「……わかった、ありがとヨシ…」
ぽそっと頷きながら答えるアキラ。
ヨシとも最後になるかもしれないから…
「なっ!……」
てっきり言い返してくるものと思っていたヨシは、かなり驚いて固まる。
アキラは車から降りると、スタスタ歩いて帰っていく…
「アキラ、待って…、ヨシ今日はありがとう…また頼む!」
「あぁ…いいけど、アイツちょっと変じゃね?」
「……あぁ、わかってる…」
ここ最近アキラの様子がおかしいのはよく分かってる。
けれど、アキラに聞いてもはぐらかされ…聞き出すことすら出来ない…
どうすればいいのか…
どうすればアキラの不安を取り除けるのか…
ちゃんと話し合わなければ…
「みずき?」
「あぁ…じゃな、ヨシ!」
みずきはヨシに手を振り別れ…
先に行ったアキラを追い掛ける。
「あぁ、またな!」
ヨシも返事して帰っていった。
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