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《遠退く想い》31
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「……」
みずきの言葉がジンと心にしみわたっていく…
「……ルードの前で、腕が麻痺したんだよな…見られたくなかったんだろう…つらかったな、アキラ…」
そっとみずきはアキラの腕に触れて…抱き寄せながらささやく…
「っ…、」
みずきの優しく慰める言葉に…胸が内がトクンと反応して、抑えきれず涙が零れてしまうアキラ…
ホントに…
見られたくなかった。
ルードの前で、弱いトコなんか見せたくない…
あんなに簡単に麻痺した腕を見て、隠したい気持ちと同時に…
もうルードと普通に遊ぶことも出来なくなったのかと思うと…
つらくて…悔しくて…
ルードに嘘をつきたくないから…隠し通す気でいたのに…
言い訳して、また嘘ついて…
信用無くして…
つらかった…
みずきは優しく身体を引き寄せ、背をさすって囁く…
「我慢しなくていい…アキラ」
つらいときには泣けばいい…
愚痴を言えばいい…
『大丈夫』『平気』
そう作り微笑いをさせないために…
アキラに無理をさせないように…
自然に微笑えるように…
俺がアキラを支えていきたい…
「…ッ、ごめ…っ、」
涙がとまらなくなって…アキラは鳴咽を抑え、小さく謝る。
「謝らなくていいから…大丈夫だから…」
みずきはアキラが落ち着くまで、優しく抱き寄せたまま語りかける…
「……」
その温かい身体に寄り添いながら…
でも…、こんなにも優しいお前を裏切らなきゃならない…
裏切るばかりで何も返せてない自分…
それでも…まだ、好きだと言ってくれる…
「ありがと…」
涙を拭いながら…
思い直す…
こんないい奴だからこそ…
オレが縛ってちゃいけない…
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