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《廻らぬ歯車》8
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それから数時間後…
アキラの住むマンション内。
「くぅん」
クンクンと犬たちの声。
口元をペロペロ舐められる。
「う…ん、」
まばたきして瞳を開くアキラ。
リビングのソファに横になっている自分…
「あ…れ、そっか昨日…」
ゆっくり起き上がりながら状況確認する。
支えに使った右手が軽く痺れてくる。
その手を見つめ昨日のことを思い出す。
みずきのアパートから、なんとか家までたどり着いて、力尽きてそのままソファで寝てしまっていた。
現時刻は昼過ぎ。
ずっと眠り続ける飼い主を心配して犬たちが起こそうとしたのだ。
「メアリー、リッツ…ごめんな、心配した?」
犬たちを撫でながら謝るアキラ。
メアリーはアキラにさらに寄ってきてまた口元を舐めている。
「ん?あぁ…口元、少し切れてたんだ」
指で触れてみると、みずきに殴られた側の口の端に痣ができ斜めに切れて滴った血が乾いてこびりついていた。
血の匂いに反応して犬たちは怪我した場所をしきりに舐めてくれる。
「ありがとな、大丈夫だから…ふ、ははっリッツ!ケツはいいよ、ありがと」
もう一匹の犬のリッツは、座っているアキラのおしりを匂って舐めようとする。
犬たちの温かさに和みながら…
心をよぎるのは…
「…みずき、どうしただろう…昨日の事、覚えてるかな」
想いとしては、忘れていてほしいと願うが…
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