アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
《廻らぬ歯車》9
-
そんなヤワな罠をしかけるフミヒコじゃないし…
もし覚えていたら…
苦しむみずきの顔が目に浮かぶ。
「これがフミヒコの狙い」
別れやすくするために。
みずき自身にオレを怪我させレイプした記憶があれば、傷つけてしまったことでオレに嫌われたかもしれないと言う気持ちがよぎる。
罪悪感を抱え込む…
そこへオレがレイプを理由に別れを切り出せば、罪悪感のあるみずきは別れを拒否できる立場じゃなくなる。
諦めざるおえない状況に追い込まれる。
みずきが引き下がるカタチで別れが成立するため、その後、関わられることもない。
そういうシナリオだ。
「…怖い男」
あのフミヒコという男は…
「けど、思い通りにはさせない」
敢えて反抗する姿勢なアキラ。
あんな酷いことをみずきにさせて、それを全部みずきのせいにして別れるなんてことは出来ない。
みずきの記憶に、自分は訳も分からず恋人に暴行する人間などと残っていたら、今後のみずきの恋愛に支障をきたす恐れがある。
自分を信じられず恋愛に臆病になってしまうかもしれない。
そんな心の傷はみずきに残したくないから…
昨日のことも含めて、みずきの中からオレを抹消していく…
そう決めたから…
そしてみずきの想いをねじ曲げて、自分だけフミヒコに依存し、あんのんとした生活をするなんて考えられない。
だから…
みずきとは別れる。
けれどフミヒコとの契約も破棄する。
オレは誰のものにもならない。
「……施設が空けば」
そこでひとりで生活できるのに。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
120 / 246