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《廻らぬ歯車》11
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「それでも…オレはお前たちと一緒にいたい…本当我がままな飼い主だよな」
「クゥン…」
アキラの気持ちを読んだかのように…犬たちが離れたくないと顔を寄せ頬を舐めてくる。
「ありがと…」
そんな犬たちの行動に胸がじんわり温かくなるアキラ。
犬たちを撫でて…
こんな駄目飼い主でもついて来てくれるお前ら…
何も返せなくてごめんな…
犬たちの温かさに触れ…しばらく横になっていたアキラだが…
「そろそろ動かなきゃな…ハラ減っただろ?」
メアリーとリッツに語りかけるように言い、ゆっくり寝返りをうって、片手で床を押し、肘をついて起きあがろうと試みる。
「麻痺すんなよ、腕…」
自分に言い聞かせるよう呟くアキラ。
身体を丸めるように脚を曲げ、ついた肘をゆっくり伸ばして両手で床を押し上体を起こす。
「っテテ…ふぅ」
重心を置いた方の腕が鈍くしびれ、昨日みずきにヤられた場所も痛みを伝えてくる。
「問題はここから…」
普段でも床から立ち上がるのはしんどい。
薬を内服出来てない今は尚更…
少しいざってテーブルの近くに寄って…テーブルに両肘を置いて息をつく。
「よし、立つぞ」
そう意気込んだとき。
ピンポーン!
と来客を知らせるインターフォン。
「!?」
「……今無理、」
つい呟いてしまうアキラ。
立ち上がることに集中しなきゃならない時に来客に気を取られている暇はない。
というか、立てないから出迎えにも行けない。
「……」
居留守作戦しかないと心で思うアキラだが…
ふと思う。
もしかしてみずき?
だったら尚更出にくいが…様子も気になる。
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