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《廻らぬ歯車》20
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「……オレは、みずきと別れたい…」
みずきの中からオレの存在を抹消しなきゃならない。
「なんでだよ、みずきのどこに不満があるってんだ、アイツはお前の事、本気で…」
「だからだよ!本気だから…オレじゃ、ダメなんだ」
ヨシの言葉を割って言い切る。
「アキラ…」
「その理由はなんだよ」
ダメな理由。
「……」
一番の理由は、身体のこと。
進行性の病を持つ自分では、この先、みずきを傷つけるだけ…よけいな苦しみを与えて重荷を背負わせるだけだから…
けど、それをこの二人に知られたくない。
「病気の事か…」
「ッ…!?」
ヨシの口から零れた言葉に顔を上げ愕然とする。
ルードに知られたくない事実…
「…病気って?」
ルードがやはりその言葉を確かめてくる。
「……っ」
ルードに、誤魔化そうと思えばまだできる。
けど、そうすればヨシが全部バラす可能性があるから…
下手に答えられないアキラ。
手を握りしめる。
「…この前、腕が痛くなってたのと関係ある事?」
ルードはアキラから本当のことを聞き出そうと問ってくる。
「ルード…」
名前を呼ぶのが精一杯なアキラ。
「隠しきれるわけねーだろ、健康な奴はな、あんな量の薬、一度に飲んだりしねーんだよ、ルードだって薄々気付いてんだよ!」
キッチンのカウンター上についでに出しておいた夕食後に飲む薬の包みを差して追い討ちのように言うヨシ。
「……ッヨシ!」
頼むから、これ以上言うな!
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