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《廻らぬ歯車》33
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「いえ、昨日はフミヒコさんの暗示が作動してそれどころじゃ…あの暗示はみずきに余計な不安を与えるし苦しませるだけだから、これ以上、発動しないようにして、みずきの中からオレを暴行したという記憶を完全に消してください!」
アキラは強く言う。
みずきの将来のため、暴行の記憶消去を頼むが…
『あの暗示は一回きりだから以後はないよ、ただ記憶消去は難しいね』
ゆるりと記憶消去はおこなえないと伝えてくる先生。
「なぜ!?」
ややカッとなるアキラだが…
『今、彼の脳には複数の暗示をかけている、最終目標の恋愛感情消去を達成するために暗示は複雑に組み立てているからね、そういうときには簡単に一つだけの記憶を消去することは出来ないんだ、暗示のバランスが崩れ、それこそ彼を苦しめる結果になる。記憶の消去はそれほど難しい…』
「そんな…フミヒコは暗示を途中で追加しただろ?」
納得出来なくて言い返すが…
『暗示の追加と記憶消去は全く別物なんだよ』
「何が!」
「暗示自体は脳の記憶回路に、仮に上書きしているようなものだが、記憶消去は元から脳にある記憶を削除する作業…難しい作業になるんだよ」
やはりのんびりした口調で話す。
「…っ」
言葉をなくすアキラ。
そうして医師は次の暗示について話し始める。
『第2段階の暗示では、最初にかけた名前を呼べなくする暗示を取り消して、今度は君に触れたら不快に感じるように暗示をかける』
容赦無く進む暗示…。
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