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《廻らぬ歯車》49
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「っ!…アキ、ラ、」
アキラに触れられると不快感が増す。
耐えられず少し身を引いてしまうみずき。
「オレといると、気分悪いよな」
くすっと自虐的に笑って囁くアキラ。
みずきに避けられる日がくるとは思いもしなかった。
「そんな…ことは、ない…」
必死に首を振るみずき。
「いいんだ、それで…ごめんな。これで少しは楽になるはず…『サクヤ』」
そっと優しく…
言わなければならない暗示のキーワードを耳元で囁くアキラ。
もうオレのことを考えて苦しまなくていい。
「……」
暗示の効果がゆっくりとみずきに浸透し…
時が止まったように動かなくなる。
すっとみずきから離れて様子を見る。
「……俺は」
みずきは確かめるように呟く。
「みずき…オレのことは気にすることないから、自分のことは自分で考えるし」
そしてそう促してみる。
「そうだな」
そっけない返事。
「…そ、もう用は済んだだろ?そろそろ帰った方がいいんじゃない?夜中仕事だろ?」
続けて帰宅を促すアキラ。
「あぁ、そうだ仕事、俺は帰らなければ」
先ほどの苦しみなど微塵も感じさせない様子で、みずきはすくっと立ち上がる。
「うん」
「じゃ、アキラ」
そのまま、何事もないように別れるみずき。
「バイバイ…みずき」
アキラも暗示の威力に内心驚きながらも表情は微笑んだまま見送る。
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