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《廻らぬ歯車》54
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「どういうこと?」
意味が分からなくて聞き返すルードだが…
「ルード、オレは平気だから…お前ももう帰っていいよ」
ふっと微笑んでアキラはそう伝える。
「晩までいるよ!」
ひとりにはさせられない、と首を振るルード。
「また連絡するから、今日は帰って…お願い」
独りになりたいと瞳で訴える。
「アキラ…」
動けないルードだったが…
「……ルード」
アキラはもう一度促すように名前を呼ぶ。
「…っ分かったよ!アキラのバカ!!」
「……うん」
「……」
ルードはちょっと怒って部屋を出て行く。
それを瞳にうつしながら笑顔のまま見送るアキラ。
犬たちが心配してすり寄ってくる。
アキラは犬たちの背を撫でて、独りになった部屋を虚ろに眺める。
好意を持ってくれた人間をどんどん遠ざけて…
何をしているのか、何をしたいのか…
隠し通す気だったのに、ルードに持病があることがバレて…
今回はなんとか誤魔化したけど、これ以上悪いところを見られたら、もう言い逃れは出来そうにない…
ルードを見守っていけるのも、潮時ということ…
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