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《廻らぬ歯車》55
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「……」
みずきには指輪を返すことが出来たけど…
オレに触れられることを嫌がるみずき。
避けられるのって結構、ダメージくるよな…
それをみずきにしたこともあった。
自分がされて、はじめて分かる本当の辛さ…
アキラは寄ってきた犬のリッツを柔らかく抱きしめる。
「あたたかい」
メアリーも、自分もと言うように躯を寄せてくる。
「ありがとな…」
いつも助けられてきた…こいつらには…
けど、このままずっと一緒にいられるかと言ったら…それは無理なことで…
失うものが多すぎる中…
こいつらだけはギリギリまでそばにいたい。
そんな我が儘がどこまで許されるのか…
わからないけど…
人間にはその人の人生があるから…犠牲には出来ない。
そう、もう一度思い直すアキラ。
「暗示…」
かけた途端…
あっさりと帰っていったみずき。
みずきの中からオレという存在を消せば、あんなに霧が晴れたように…
迷いなく…
気を遣うこともなく、振る舞うのかと…
驚きとともに…
やはりみずきを苦しめているのは自分だったということを思い知った瞬間。
長い間…オレの為に苦しんでいたのか…
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