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《廻らぬ歯車》57
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一方…。
先に帰ったヨシとみずき。
ヨシは車でみずきを送って行っていた。
「みずき、考え直せって、アキラと付き合ってたっていいことなんかこれっぽっちも無いんだからな」
ヨシはみずきを別れさそうと、必死で説得をはじめる。
「……」
無言で聞くみずき。
「よく考えて見ろ、アイツに関わったせいでお前はどれだけ苦労してきた!?早く別れて…」
「…付き合う」
ヨシの言葉に割ってはいるように呟くみずき。
「え?」
「俺はアキラと付き合っているんだろうか…」
また呟く。
「は?何言ってんだよ」
いきなりな言葉にヨシの頭にはハテナが飛ぶ…
「さっき俺はアキラにやった指輪を返された、それは、もうそういう関係ではなくなったということだろう?」
別れたということ…
みずきは確認するように話し始める。
「みずき…」
「アイツは、一人でも生きていける強い奴なんだ。最初から、俺の存在は必要なかった…そういうことだ」
困惑した様子もなく冷静に言うみずき。
「みずき…ようやく分かったんだな!そーだぜ、あんな嘘吐き野郎に付き合うことはねぇ、昨日のことだって奴が…」
今朝からの様子を見ていただけに、変わり身の早さに多少驚くヨシだが…
苦しむでもなく、アキラとは終わったと、冷静に話すみずきを見て嬉しくなる。
「ヨシ、もうアイツの話は考えたくない」
今は頭に思い描くのもダルいみずき。
その話題から早く離れたかった。
「え、あぁ。そーだな、オーケイ!じゃ今度みずきが仕事休みの時に遊びにいかねぇ?もちアイツ抜きで」
機嫌良くヨシはみずきを誘う。
「…時間があればな、」
いつもの調子で答えるみずきにヨシも安心する。
そして、そのままアパートにみずきを送り届けて気が晴れたように帰って行くのだった。
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