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《廻らぬ歯車》64
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部屋に戻って早速ヒーリングの先生に連絡する。
電話を取り次いでもらい、直接頼むアキラ。
「これ以上は、時間をかけたくないんです、アイツを苦しめたくないから…早く、恋愛感情を消去してください!」
早く決着をつけないとみずきの私生活にも影響がでるかもしれない。
これ以上重荷になりたくないから、一刻も早く…
『わかりました、ではまたお二人で来院してください、その際に最後の暗示をかけましょう。彼にキーワードは何回伝えていますか?』
「二回です、さっき言ったばかりだから」
『そうですか、あの暗示は掛けたあと覚醒していれば効果は続きますが、睡眠でリセットされてしまうので、明日また不安に陥った時に誘ってみてください、予定もあるでしょうから明日以降で予約を取りましょうか』
「明日は確かアイツ、昼夜勤務がだった筈…明後日は夜だけ休み」
『早い方が良いようですから明後日の夜にしましょうか?』
「はい、」
『では、明後日の夜、19時頃に予約しておいてよろしいですか?』
「はい、お願いします」
『明後日、お待ちしていますね』
「あの、」
『はい』
「アイツが不安に陥った時、暗示以外の対処法は…」
『そうですね、あまり連続でキーワードを言うのも負担がありますし、ふつう通り優しく接してあげてください、彼を安心させて、リラックスした気分で最後の暗示に挑めるように…』
「分かりました…あと、」
『はい』
「触れることで不快に感じる暗示を一時的に解く方法はないですか?」
『そうですね、暗示組み立ての中に組み込まれてますから…完全になくすことは難しいですね、ただ、痛みや外界の刺激で一時的に無効にすることは可能です、最終目標を達成するための仮暗示なのでそれほど強力ではありませんから』
「外界の刺激…ってどの程度の?湯につかるとかは…」
『…そうですね、入浴ということでしたら、熱めの湯ならば全身の刺激になるので無効化できるでしょう、ただし身体の70%以上つかっていなければ無理だと思いますが…』
「…、ありがとうございました、明後日お願いします」
そう電話を切るアキラ。
明後日か…
明後日にはみずきとさよなら…
今まで世話になった分、迷惑をかけた分の…恩を返すつもりでみずきに優しく接しよう。
後二日…
限られた時間だけど…。
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