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生徒会長
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ピーンポーンと軽快な音が辺りに鳴り響く。
少ししてからジジッとインターホンの奥で雑音が聞こえたのと同時に男の声が聞こえた。
『はい』
「本日編入する清水春樹です」
端的に要件だけ述べるとインターホンの奥の人が少しの間の後『清水様ですね、ようこそ。話は聞いております。門を開けますのでしばらくお待ちください。案内の者が来ているはずですので案内してもらってください』と言われて春樹は案内の者?と門の奥に視線を巡らせる。
「あ、れか?」
少し自信がなかったのはその案内の者らしき人物が木の根っこ部分に腰を掛けて眠っていたからである。
金持ち学園であるため、ここに通っているのはお坊ちゃまばかりだ。
必然的にそんな処に座り込んでましてや眠っているだなんて誰が思うだろうか。
そう思っていると大きな門が音を立てて開く。
すぐさま春樹は誠美学園へと足を踏み入れた。
大きな門が音を立てて開いたというのに、それでも起きない青年(制服を着ているので同じ生徒だろう)はどうやら熟睡しているようだ。
春樹はどうしたらいいのかわからない
「どうしたもんかなぁ」
そう呟いてみたものの、目の前の青年は未だ夢の中だ。
同じように春樹も青年の前に腰を下ろして改めてよく観察してみる。
金髪の髪の毛がキラキラと日の光に反射してなんともきれいな光景だった。
顔も端正な顔立ちでこれはなかなかお目にかかれない美形だ。
全寮制男子校のこの学園ではさぞかしおモテになるんだろうなぁと羨ましいんだか可哀想なんだか複雑な心境である。
全寮制男子校だからか、同性愛者が多かった親臨学苑を思い浮かべる。
目の前の青年は親臨学園でも騒がれそうだ。
そうやってじっと目の前の青年を観察していればふるりと長い睫が震えた。
「・・・ん・・・・」
少し掠れた色気のある声と共に固く閉ざされていた瞳が少しずつ開いていく。
ひとつひとつの動作に思わず男に興味のない春樹でさえ見惚れてしまう。
ぱちりと黒い深い瞳と目が合う。
「・・・あっ・・・おきた」
思わず口をついて出たのはそんな言葉だった。
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