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学園の内情
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理事長との話も終わったところで、春樹は早々に寮へと向かっていた。
理事長室までの案内はあって寮までの案内はないんだなと思ったが、生徒が居るであろう空間に生徒会長の隣に案内とはいえ、目立ってしまうに違いない。
何より、先ほど地図をもらったから迷う心配はない。
地図を貰って迷うなんてドジっ子スキルは身についていないから安心だ。
「にしても、だいぶここの戦闘訓練は力を入れてんだなぁ」
理事長室で話した内容を思い浮かべる。
理事長との契約?が済んだあとにもう一つ、親臨学園にはなかったシステムを説明されていた。
なんでも、転送システムとやらがあるらしい。
自分の武器なんかを所持していなくても、自分専用の転送ボックスに入れておけば戦闘時にそれぞれの合言葉を言ってそのボックスから取り出したい武器を思い浮かべれば手元に現れる仕組みらしい。
なんともお手軽だ。
軽装備でも構わない仕組み素晴らしい。
ただし、1回の戦闘につき転送は2回までしか行えない。
3回目を行おうとすると自然とシステムがブロックするらしいのでどんなに武器を思い浮かべて合言葉を言っても出てこないらしい。
つくづくハイテクすぎると思う。
まぁ、このシステムは俺にとっては思ってもみなかった副産物だなぁ
今まで持ち運ぶのに苦労していた武器を使えるんだからありがたい。
戦闘訓練は大会も授業も全校学年一斉に行うんだから最初からどかんと目立つに限る。
春樹はこれからのことを考えながらも足は只管寮へと向かう。
視線を巡らせて周りを見ることも忘れずに。
寮に近づくにつれて、生徒が増えていく。
見慣れない生徒がいると、周りは春樹のことを不躾な視線をぶつけてくる。
それに苦笑しながらも春樹は足を止めない。
時折聞こえてくる「誰、あれ?」だの「また転入生か?勘弁してくれ」だの「平凡」なんかの声まで聞こえてくる。
最後の奴はちょっと黙ろうか。
寮で寮監にあいさつをして部屋のカードキーを受け取って部屋番号を教えてもらい、そのまま自室である801号室へと向かう。
さて、寮に入ったものの・・・そこまで荒れているという気はしない。
でも先ほども何回か聞こえてきていた「転入生か?勘弁してくれ」のセリフがなぁ
まぁ、騒ぎは転入生と会長以外の生徒会ってことでいいんだろうなぁやっぱ
転入生に惚れて仕事しないぐらいだもんなぁー
そんなに転入生君とやらは絶世の美女ならぬ美男子なんだろうか?
まぁ、生徒会は会長に倣ってもれなくみんなイケメン様なんだろうし、きっと面食いだろ(決め付け)
一人、うんうんと変な納得をしながらも自室である801号室へとたどり着いた。
今日からここが俺の部屋。
扉の横を見れば、ご丁寧に表札があった。
一つは自分の名前である「清水」
もう一つは「神崎」
どんな奴が同室者なんだろ?
なんか普通の奴だったらうれしい。
ほんとさ、長いものには巻かれろ精神の奴とか超最高だと思うのね。
良い友情築けそうだよね。
俺とおんなじ感じの平凡男子でぜひお願いしたいところ
春樹はカードキーを翳してピーッと鳴ったあとに鍵が開いた音を聞いてからゆっくりと扉を開けた。
さぁ、どんな同室者かな?
仲良くできるといいんだけどなぁなんて扉を開けながらそんな悠長なことを考えていた。
後から後悔するなんて思わずに・・・
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