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朝、カーテンの間から差し込む光で目が覚める。
ゆっくりと瞳を開けてしばらくぼーっとしながら携帯で時計を確認した。
「7時・・・」
まだ余裕がある時間に起きたみたいでほっと息を吐いた。
昨日は恥ずかしさで悶絶したままいつの間に寝てしまっていたようだった。
携帯を見て、思い出す。
あ・・・そういえば夜に会長にメール、送ってない。
ベットからよたよたと降りて、ハンガーにかかっていたブレザーのポケットを漁るとかさりと紙が手に当たる。
それを掴んで、柏木のメールアドレスと番号を登録した。
宛先:柏木会長
件名:おはようございます
本文:清水です。
登録お願いします。今日、戦闘訓練で当たったらお手柔らかにお願いします。
最後に電話番号も入力したところで、送信ボタンを押す。
ふぅ、と息を吐いてそっと自室から出る。
部屋は静かだった。
どうやら、あのモジャ男は生徒会メンバーのところにずっといたようだ。
まぁ、朝からあんな大声聞かなくて済んでよかったよかった。
のんびりと浴室に進んで、手早くシャワーを浴びる。
浴び終わった後はパンを軽く齧りながら制服に袖を通して、学校の準備をした。
「んー、今日の戦闘訓練は何を持っていくかなぁ」
クローゼットを開ければ、そこには服は一切入っておらず、武器が所狭しに並んでいる。
その中で、一つのライフルを取り出した。
「やっぱこいつかなぁ?」
まるで、デート前の少女がクローゼットの前で服を合わせているかのような選び方だ。
春樹が手にしているのは可愛らしい服なんかではなく、ライフルなわけだが。
「やーっぱSR-25ちゃんかな?普通のに比べたら小型だけど、しっくりくるんだよなぁ」
ふんふんと鼻歌を歌いながらライフルを入れるカバンにSR-25を入れる。
小銃を3つほどぽいぽいと入れていってもう一つ。
M-16型を春樹用に改良したライフルも詰め込んだ。
準備が終わったところで、部屋を出ようとすれば、鳴り響く春樹の携帯。
着信音からしてどうやら電話のようだった。
画面を見れば、そこには柏木会長の文字。
「は、いもしもし」
思ってもみなかった電話にどきりと心臓が音を立てる。
もう、なんなんだ昨日から俺の心臓なんかおかしい!!
反抗期なの?なんなのこれ!?
『おはよう』
直接聞く声とは少し違ってなんだか新鮮だななんて考えてしまった自分を思い切り殴りたい。
「おはよう、ございます。どうしたんですか?」
『いや、これといった用はない。・・・用がないと連絡してはだめだったか?』
「いや!別にそんなことは!!」
少し声のトーンを落としながら言われた言葉にまた心臓が騒ぐ。
心臓どころじゃない。
頬も熱を持ったかのように、熱い。
だ、から!!なんでこの人はぽんぽんこんな事言うのかなぁ!?
勘違いされるでしょ!!俺はしないけどね!!
『冗談だ』
くつくつ笑いながら言われた言葉にまたからかわれた!と脱力してしまう。
俺って奴は何回からかわれれば気が済むんだ!!
「だからその冗談はシャレにならないって昨日言ったでしょーが」
『まぁ、でも本当に用はないんだ。お前から昨日メール来なくて、朝に来てたから・・・嬉しくて、な』
だから、電話してみた。
だなんて、まるで恋人同士かのような甘い言葉。
恥ずかしい。
柏木会長といると自分が恥ずかしい。
ほんとなんなんだこれ。
「そ、れはありがとうございますって言っておけばいいんですかねー?」
返答はそんな可愛げのかけらもない言葉。
茶化さなければ、俺がどうにかなってしまいそうだ。
いや、どうにかなるってなんだ。なんてセルフ突っ込みをしてしまう。
『俺の方が”ありがとう”だな。じゃあ、時間だな、初日の授業、頑張れ』
ぷつりと切れた電話。
頬に若干熱が灯ったまま、春樹は部屋を出た。
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