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相棒
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「それでも。俺だけ助かるなんて嫌だ!」
「そのお前だけでも連れて帰ってこいって命令だ。帰るぞ」
「それにセージュ。俺を助けてくれた女の子のことも気になる。大丈夫だといいんだけど」
「ホント折れないな、エクト。分かったよ。お前助けてくれた御姫さんの安否を確認するだけだぞ。それが終わったら帰るからな」
「ありがとう、セージュ!」
_______________
「今の、もっとオーバーに感動しろよ。エクトって読んでる限りじゃ、かなり気持ちに正直だろうが」
「そういうワタルははもっと陰作れよ!あともちっと通常の声高くしろよ。微妙に合ってねーぞ」
ケータイに落としたLibraのマンガを手に、二人で少し掛け合いをしてみた。
俺は主人公のエクト。ワタルはその親友、セージュ役のオーディションを受けるらしい。
丁度よかった。
エクトとセージュは神の火を守護する神官。
エクトは火に愛される少年。親はいない。優しく、少し頼りないところもあるが、後半に近づくに連れて成長してくる。
それに比べてセージュはいつも回りが見えていて、人には言えない過去があるらしい。いつも笑みの奥には悲しさがある。
トーンやイントネーション。
そこに書かれている言葉にフルで頭を回転させ理解していく。
「次、ラヴァニアの魔法やんぞ」
時刻は夜中の11時。
なんとかマンガや小説に一通り目を通した俺たちは、キャラを掴むために速効の研究会をしていた。
≪了解しました。 長谷川≫
マネージャーに連絡を入れると、録音は二時までなら待って貰えることになった。日付が変わるまでには演技を自分のものにしたい。
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