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雰囲気の良さ
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このミーティングの後に、PV録音。
そして7月二週目の土曜、午前9時から録音がスタートする。
つまり来週。
第一話だけ、出来上がっている分の無音動画と台本を今日配布してくれるらしい。
収録時間は長く見積もって3時間。早くいけば、ガヤやモブの録音も入れて一時間で終わる。
それ以外にも、イベントや雑誌インタビューの日時も言われた。
また近づいたら、ミーティングを開くらしい。
アニメのアフレコの後はラジオの録音。
今さっき、でかい野望を語っただけに、自分の無知さ加減にげんなりする。
・・・俺やっていけるのだろうか。
台本と、映像の入ったUSBを渡されたところで、扉がいきおいよく開いた。
外から制服姿の女子高校生とマネージャーらしき人が同時に入ってくる。
「遅れてすいません、漫画家のリコです」
女子高生が頭を下げた。
嘘だと思った。絶対俺騙されてる。
俺より年下。なのにあんな深い作品を書けるものなのか。どんな人生歩んできたのか。
改めて、リコ先生に一人一人自己紹介をしていく。
「セージュ役、天野夏樹です」
拍手。
「ポデ役、宿人旬です」
拍手。
「イバ役、坂ノ下陸です」
拍手。
「カルヤ役、佐々木海です」
......。
最後に、俺の番。
「エクトの声を担当する、牧野空です。よろしくお願いします」
俺の名前を聞いて、跳び跳ねる彼女。
その反応が、学生らしくて可愛いかった。
「貴方がマキノさんですか!会えるの、楽しみにしていたんです」
それを監督が、にやにやして見ている。
「私、マキノさんの声を聞いて、ビビっと来たんです!この人しかいないって!」
それに監督も口を挟む。
「リコさん。さっきね、マキノくんこの作品を来期のランク、てっぺんに持っていくと言ってましたよ」
「!!!それは頼もしいです!」
テンション高いなこの二人。
それを見て、回りの役者さんは笑いだした。
けなしてるとかではなく、いい雰囲気の笑いかた。
「マキノって面白いな」
「てっぺんかー。俺らならいけるんじゃないか」
確かに声優さんは俺以外がベテラン揃い。それも俺でも知ってるような人ばっか。
「てっぺん取りに行くか、新入り」
回りも回りで、悪ノリを続ける。
俺は俺で、さっきの話をなにかと広げられて顔が真っ赤になる。
・・・恥ずかしくなってきた。
でも。俺が思ってたより、とっつきにくい人たちではないらしい。
もしかしたらこれは普通よりも特別で、伊集院監督が選んだ人たちだからかもしれないが。
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