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最近の一日
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家。
今のところ俺の仕事は週3。
それも午前中に終わるものばかりなので、家に帰宅するのが早くなる。
来週からはモブや助っ人としての仕事が入るので、そうもいかないが。
洗濯物は、わざわざ干しに行かなくても、部屋の中に乾燥機が付いてある。俺と天野さんの分を畳んで、タンスに詰める。天野さんはシンプルな色のものが多いので、しわが付かないようにアンロンは必須。
掃除はルンバが担当。俺は机の上やテレビなんかの、ルンバが届かないところを拭く。
他に、布団を干したり、ベランダの植木に水をかけたりと。
正直、ほとんど機械がやってくれてる。
カガリとボロ部屋に住んでたときと比べたら、俺この家で全然家事をやってない。
風呂も勝手に溜まるし、食器もほっといたら勝手に洗われて乾燥までしてる。
こんなんで居候っていいのだろうか。やっぱりお金払わないと・・・。と思って家賃をこそっとググッたことがあるが、俺の収入では半額でも払えない額だった。
暫くは、金額に触れないようにしようと思う・・・。
ただ、食材や消耗品は俺が勝手に買い揃えている。これくらいはさせて欲しい。
PM8:00。
晩飯の用意を始める。水曜日は打ち上げや集まりがない限り、この時間帯に帰ってくるはずだから。
---
「ただいまー」
玄関の扉を開ける音。
来た。
足音がリビングの扉に近づいてくる。バタンと音が響く。
「いい匂いするね~。肉じゃが?」
いつも通り、爽やかな笑み。
部屋に入ってくると、外で見せる目つきとは少し違って柔らかくなる。
「お仕事どうでした?」
「今日もまずまずかな。あ、そういや今日現場に新垣くんが来てたよ」
新垣。新垣ワタル。俺の養成所時代のライバルだ。
思わず声が高くなる。
「ほんとですか!ワタル・・・新垣どうでした?」
さっきのことを思い出してか、微笑する天野さん。
「面白かったよ~。熱血くん、みたいな」
もしかして・・・。
熱血といえば、ワタルは歴史のことになると熱く語りだす癖がある。
あれをみられたのか。
「あー・・・」
「心当たりがあるんだね。本当にあった歴史アニメの収録中に、『こんな事実ない!』って言い出してね、結構監督と修羅場になってたかも」
また爆笑しだす彼。
確かに一度養成所でもあった。
歴史が違う風に書かれてたら(ノンフィクションの歴史をアニメ化してる場合のみ)、抗議してきた。さすが歴史マニアってところだけど。まさか監督にいうとは・・・。
あいつ何しとんねん。
「最終的にどうなったんですか?」
「監督が折れてね、制作側がもう一度作り直すことになったよ。アニメ自体は1週間延期。こんなの異例中の異例だったからみんな驚いてた。彼、すごいね」
そんなことできるのだろうか・・・。
「でも、延期ってそんな」
「『俺はここで折れてもいいけど、全世界の知識人はクレーム出しますよ』って言葉が強かったのかもね。そうか、って監督納得してたよ」
度肝を抜かされた。
すげえな、ワタル。
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