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宣戦布告
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「牧野さん、最近知名度が上がってきてるのは知ってますか?」
事務所に顔を出すと、マネージャーの長谷川さんに呼び止められた。
そういえば、アニメ『Libra』第一回が終了した時点で、twitterのフォロワー数が10,000を超えていた。一応言っておくと、天野さんは700,000で宿人先輩は250,000。オープニング曲を担当してるZaZaの公式グループは、1,200,000くらい。ここまで行くと、もう国民的アイドル・・・。
「kプロのホームページから牧野さんのサンプルボイスを視聴できることはご存知ですか?」
コクリと頷く。養成所時代に、ワタルからいろいろ教えてもらった。
このサンプルボイス集から、ナレーションの技を盗め・・・とかって。
「視聴回数が高いんですよね。確認しただけでも・・・540ですね」
「それって高いんですか?」
「はい。まだ固定のファンがついていない状態ですし、預かりの身分ですので、閲覧しにくるのは大抵ドラマCDを低下で作成したいレコーディング会社なんかですから」
経済の話をされているようで、少し頭がおいつかない。
「結論を言えば、仕事のオファーが来ました」
それを早く言ってくれ・・・!
ドキドキしながら、どのような役柄が振り渡されるのかを待つ。
・・・と、彼は俺の顔色を覗い出した。
「ボーイズラブのメインなのですが、どうでしょう。申し出を断ることも可能ですが・・・・・・」
かの有名な、あのジャンルですね。存じ上げています。
結構前、天野さんが台本を持って帰ってきたことを思い出す。
「あの、俺。濡れ場シーンはまだできないと思います・・・」
縮こまって返事を出す。が・・・
「その点は大丈夫です。今回はないみたいですので」
話はトントンと進み、俺が事務所を出るころには、作品に出演する形になっていた。
「今は、名前が上がる絶好の機会です。最近では、無名だとBL作品のメインに選ばれないですからね」
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