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偶然
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話が終わり涙目のまま冴木を帰らせるのもどうかと思い送っていこうかと提案していると突如その言葉を遮るように電話が鳴り響いた
そこに写し出された名前を見てすぐさま通話ボタンを押すとこんなすぐに俺が出ると思わなかったのだろう
慌てたような、わずかに上ずった声があちらから洩れた
「おい…大丈夫か?もしかして気分悪い?」
『いや、大丈夫。あの、さ…今から会えたりしない?』
突然の誘いに喜ぶところだが普段とは違う雰囲気に戸惑いを感じ思わず眉が寄る
冴木のことも送らなければいけないし断ろうと口を開いた時だった
「電話…歩くん、よね?」
先程まで目を潤ませていた冴木が静かに口を開いた
「あぁ…今から会えないかって言われて」
「会いにいって来て。私は…一人で帰れるから。」
「…けど、」
「大丈夫よ、まだそんな暗くないし。それに…歩くんが会いたいって言うなんてなにかあったのかもしれないし…。」
「本当に送ってかなくて大丈夫?」
「うん。だから早く行ってあげて。」
「ごめん、ありがとう。」
冴木が人混みに消えていくのを見届けて電話へと意識を戻す
「今どこ?」
それに応答する声はなくただ息を切らすような吐息が向こうから聞こえてくる。
気分でも悪くなったのかと声を掛けようとした時、赤いマフラーが目の先を霞めた
それは歩のしている物と酷似していて思わず追いかける
なにかから逃げるような素振りを見せるその人物に追い付き横顔を確かめると
「あれ…歩?」
思わず路地裏へと手を引いた
それに驚いたように俺の顔を見つめる歩の瞳は絶望の中に微かな悦びがあるように思えた。
「なんで歩がここに?今、電話…。」
そう言うと歩は唇をきつく噛みしめ小さく言葉を溢した
▽▽▽▽▽▽▽▽▽
短めですがようやく更新できました…
2月にはとか言いながらだいぶ日が経ってしまい申し訳ないです
またこちらの連載も更新していきたいと思うのでよろしくお願いします(*´ー`*)
気になったんですが短編はまとめてあげるよりも1つの作品としてあげるほうが良いのでしょうか?
今後もゆっくりではありますが以前よりは頻繁に投稿できるように頑張ります。
もし待っていてくださった方がいらっしゃったのならありがとうございます。
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