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籠の外を夢見た花の話
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お前の噂の話をしていたなどと言ったところで、きっと鶯は何のこと?と、笑ってごまかすに違いない。
俺は、何でもないよと返すと、視界の端に映った南京玉を思い出したように手に取り、一つずつ、二人に渡した。
「平松さんから頂いたんだ。南京玉と言うんだそうだ」
二人は、まじまじとその硝子玉を眺めて、宝物でも見るように目を輝かせていた。
「あげるよ。幸せになれる御守り」
鶯は青。静は黄色。俺は赤。
一つずつ、みんなが幸せになれるように。
二人は、嬉しそうに御礼を言うとそっと懐へしまった。
御守り。
みんなが、幸せに、なれるように。
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