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カメラマン
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バスへと入り、ドアを閉めた
「ごめんね…知らないスタッフも居るだろうからさ」
「いいえ、構いませんよ」
「その、単刀直入に聞くけど…君はゲイなの?」
「うーん、難しい質問ですね。恋人は男とですけど、昔は女の子ともそういうのしてたから…どっちかと言えば、バイなのかな?でも今はゲイなのかも…」
「なるほどね…」
「やっぱり、影響しますか?」
「俺は特には気にしないよ。まぁ、周りが色々言うだろうけどさ…俺はまた次も仕事したいと思ってるから。ko_siとは相性良いんだよね(笑)まだ、撮れてない顔もあるからさ」
「迷ってるんですよ…」
「なにを?」
「カミングアウトするかどうか」
「あー」
「それによって、どの位仕事に影響あるのかも分からないし…干されるのも覚悟してますけどね(笑)第一に恋人守りたいってのがあるんで…」
「苦しい選択だとは思わない?」
「恋人に言われました。堂々と出来るチャンスだって…隠れて会わなくても会えるって。それ聞いちゃったらね(笑)」
「苦しくても、2人で乗り越えよう的な?」
「そ、なんか記事も出るみたいだし。それを利用させて貰おうかなって」
「上手い方法ではあるよね。ま、どんな形になれ、俺は味方だから」
「はい、ありがとうございます」
「よし、じゃあ早めに終わらせて今日は呑むぞ」
「ほどほどで帰してくださいね。恋人が心配しますから」
「あはは、了解。じゃあ、次の衣装着替えたら戻ってきて」
「分かりました」
カメラマンがバスを降りていった
岬の言う通り、敵ばかりではないようだ
まぁ、これからが本番なんだろうけど
あの人になら、素の自分を見せても良いかもしれないな
新しい衣装に袖を通し、軽く確認して指定場所へと戻った
通行人などに邪魔される事もなく、撮影は無事に終了し、宣言通りカメラマンに拉致られるように居酒屋に連れ込まれた
「乾杯、今日はお疲れ様」
スタッフ総出の打ち上げが始まる
今回の撮影は、女性誌の特集で春夏秋冬と4号に渡って掲載されている物
それの4回目を撮り終えて、皆安堵の表情を浮かべていた
口々に、皆次の仕事の事を話している
こういう場に来るのは好きだ
人間観察も出来るし、話も出来る
それに、他のモデルの仕事ぶりも聞けるので一石二鳥なのだ
やれ、あのモデルは気が短いだの、指示通りに動かないだの
あのモデルは、スタッフ受けがいいとか
酔うと人は口が軽くなる
耳をそばだてながら、そんな話をおかずに酒を飲む
この仕事をし始めてから身に付いた飲み方
美味い酒かと言われれば、仕事の延長なのでそうではない
酒を味わうと言うよりは、雰囲気を楽しむが正しいだろう
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