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純真episode2.ティカ
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これは、まだミシェルが店にいた頃の話。
「おい、ティカ。また、僕の客をとったね。」
「……なんの事?」
イラつき気味のミシェルに対し、言われた方のティカは無邪気な笑顔だ。
「なんの事じゃないよ。君がさっき相手をしたあの男はついこの間まで僕の客だったんだ!」
ミシェルはそう怒鳴りつけるとティカを力強く押すと、扉を勢いよく閉めてどこかへ行ってしまった。
あとに残されたティカは不満げな顔を一瞬すると、またいつものような笑顔に戻った。
ティカは、4年ほど前、家族に売られてきた子だった。売られたとき、ボロボロで痩せ細っていたのにもかかわらずティカは笑顔だった。
ティカのその笑顔と言う才能を見た店主はティカを高額で買い取った。
以来ティカは年層の高い客によく指名されるようになった。純粋で可愛いティカはその子供らしさから我が子のようだと可愛がる男があとを絶たないからだ。
また、ティカのからだはまだ穢れを知らなかった。
だれもティカの笑顔を消したくなかったからだろう。
そんなある日、1人の豚のような男が、ティカを指名した。
「指名、ありがとうございます。」
もてなすティカの髪を乱暴に掴むと、その男はティカを乱暴にベッドの上に投げ捨てた。
それから、自分のズボンと下着を一気に下に下ろすと、まだ、慣らされていないティカの入り口に押し当てた。
ティカは悲鳴をあげたが、顔を叩かれ黙らされる。
流石にきつ過ぎたようでローションを手に取ると自身の指に垂らし乱暴に中に入れた。
ティカは泣きじゃくっている。
男が、まだキツイその中に挿れようとしたとき、ミシェルが勢いよく扉を開き中に入ってきた。
「悪いけど……そいつは、そういう事のための従業員じゃないんだ。そういう事がしたいなら、僕にしろ。」
ティカは大粒の涙を流しながらミシェルに助けを訴える。
ミシェルは客にゆっくりと近づき、キスをした。客に自分を抱き締めるよう誘導しつつ、目でティカに部屋から出るよう促す。
暫くして、部屋からミシェルの甘い嬌声が響いてきた。
ティカは泣きながら店主に抱きついていた。
「…じゃあ、今度からは僕を指名してね、他の子…特にティカに浮気したら僕許さないからね」
「ああ、分かってるよミシェル」
客が帰るのを見送り、手を振るミシェル。
「ミシェル……今日は、ありがとう。」
「……別に、大した事じゃない。それより、大丈夫?」
「うん。…ミシェルは、いつもあんな事してるの?」
「…僕だけじゃない。ここにいる人はだいたいみんなやってる事だよ。」
「そう……なんだ。」
「ティカ、君の売りはあんな行為じゃないからね。君はいつでも笑ってお客さんとお話すればいいんだ。それだけでみんな満足できる。……僕にはない才能だよ。」
「……ミシェル………ありがとう!」
この日から、ティカのミシェルを見る目は熱を帯び始めていった。まるで、恋をしているように。
けれど、ミシェルは他の男のためティカのもとから消えていった。
「ミシェル…僕は君が………」
1人涙を流し、ソファの上に腰掛ける。
その口元は虚しく笑っていた。
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