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自覚と彼のキス
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別に今までもこうやって普通に生きてきたし、これからも普通に生きていくんだとそう思ってた。
だから自分が彼を好きな事なんて信じたくなかった。
「柳ぃー!」
「ぐふぇっ」
振り返ってみれば那谷さんがいる。
「那谷さん…いい加減それやめて下さい。」
「ほんと柳はつれないねぇ…」
肩に手を置いたままおれに話かける。
いつものことながら俺は軽くスルーした。
「最近冷たいよ?いや、いつも冷たいけどさ?」
「何がですか。仕事に戻って下さい。」
「へいへい。」
過度なスキンシップ、優しい性格…そう、彼は誰にでも優しい。
「柳、その資料のことなんだけど」
「あ、はい。これは…」
いつものように仕事するいつものように時間は過ぎる。
俺は言い聞かせる。
那谷さんなんて好きじゃない。
「好きじゃない…」
「ん?何が?」
「は、え!あ、那谷さん!」
「お、珍しい反応じゃないかー!」
「な、なんですか、急に。」
「今日飲み行くぞ!」
「…はい。」
「よし、さっさと仕事済ますぜぇー!」
「声大きいですよ?」
「悪い悪い。」
少し嬉しい。けどそれは飲みに行くことに誘われたことが嬉しいだけだ。
そう、言い聞かせた。
「お前、しっかりしてるよなあ」
「そうですかね。」
「顔も可愛いしモテんじゃねーの?」
「可愛いは嬉しくないです。」
「可愛い可愛い。」
「やめて下さい…」
「ほら、」
顔を触られ那谷さんの方に向けられる
「や、やめて下さい!」
バシッと手を払った。
「そんなに怒んなくてもさー」
「やめて下さい。」
「だからー、そんな…どした?顔赤いぞ。もう酔ったか?」
笑いながら那谷さんは俺の頭をわしゃわしゃする。
「お前がそんな反応するからいじめたくなんだよ」
「…」
「なあ」
「なんですか?」
「付き合うか?」
「2軒目ですか?」
「ちげーよ」
「何ですか?じゃあ。」
「俺とだよ」
「は、」
「お前、見てるとわかんだよな」
「な、何がですか…?」
「俺のことが好きだろ?」
「馬鹿言わないで下さい」
「なあ」
くいっと顔を那谷さんへと向けられる。
「やめて下さい。」
「なあ。目ぇみろよ」
「嫌です」
ちゅっ
「な、なに、んむ…ぁん」
突然のことで、何をされてるのかわからなかった。
キスが終わると
「ほら、可愛い。」
「な、那谷さん…」
「付き合うだろ?な?」
「えっと…」
ちゅっ
「あ、あのっやめ」
ちゅっ
「やめて下さいっ!わ、わかりましたから…」
「ならいい。」
那谷さんはいつものように笑う。
降り注ぐキスから逃げ出した俺は那谷さんと付き合う事になった。
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