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柔軟は危険
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2人1組でまず始まったのは、柔軟体操。
「はい、いつも通りなー」
先生の雑な指示で生徒は地面に足を伸ばして座る。
「先輩、どうぞ先に」
子首をかしげて可愛らしく演じれば、奴は素直に応じた。
ふんだ。思い切り押してやる!
クソモデルが座ると、10カウントが始まる。
両足を前に伸ばし、その爪先に向かって腕を伸ばす。
僕はソイツの背中に全体重をかけ押してやる。
(クッ…痛…)
(ざまぁ)
痛がるコイツに手加減なんかしてやるものか!もっと痛がれ!
これがサドスティックの楽しみなのかと、新しい扉を開きそうになりながら次は足を開き、右側に倒れ、その次は左、そして最後に真ん中という順でやり遂げた。
(チッ…痛いんですけど)
(知るかばーか)
(お返ししなとなぁ)
僕に向かって挑戦的に口角を上げるアイツだけど、今の僕に怖いものなんて無い。
ふっ。毎日柔軟している僕はいくら押されても痛くも痒くもないんだからな。
ざまぁみろ。ばーかばーか。
そして10カウントが始まり、押されるより先にベッタリと足に頭まで付ける。
(そういう事か…)
(何のことかなー?)
完全に勝ちを確定させた僕は細く微笑んでいた。
けれど、奴は何を思ったのか、後ろから抱き着くように身体を密着させてきた。
(なっ!?離れろ!)
奴の顔が肩に置かれ、今耳元にあるのが分かる。
息を吸い吐く度に…耳に息がかかってッ…
(何で?押して上げてるのに)
(ゃっ!)
(イイ反応)
わざと耳元で低く息を吹きかけながら後味を残す囁きをしてくるエセ爽やか。
肌が栗立ち、変な声を出したことに羞恥が襲う。
(やめろ!!)
(無理。あと3秒)
ゾワゾワと背筋を駆け上がる何かと戦いながら残り3秒に耐える。
3……2……
(泪…チュ)
「ひゃっ!?」
僕の口から出たとんでもない声と先生の吹いた笛の音が重なり周りの生徒には聞かれなかった…って事にしておこう。
「ほら、次」
急いでその原因から離れようとしたら、ガッとそれより早く腰を掴まれた。
そしてまた耳元に顔が近づいてきたから、サッと両耳を塞ぎガードを作る。
「クソ野郎…」
まだ耳に残る生暖かい感触にゾワゾワするのを、誤魔化すように悪態をつく。
「早くしろ」
奴はそれさえもお見通しかのように鼻で笑ってくる。あーもー!最悪。
「…押さなくていいから」
「つべこべ言わずに足を開け」
ぐわぁってなる!この命令口調にぐわぁっと…こう怒りが沸騰する感じがっ!
後ろを振り返り睨みたかったが、そんな事すれば後ろの列のヤツにも僕の顔が見えてしまうから出来ないのが悔しい。
叫びたくなる心を鎮め、渋々足を開く。
「おい、泪」
「ン…んだよ?」
再び僕の背中に覆い被さるエセ爽やかは、抵抗できないことをいいことに肩に顎を乗せ、おもむろに両手で僕の内太ももをスルリと撫でた。
「ッ……ふぅ…ン、やめ…」
「もっと開くだろ」
「あッ…痛…」
そして股の付け根の所を掴みグッと左右に開きやがった。
「痛い?嘘つくなよ」
「どこ…触って…はぁ…」
その状態のまま、奴に身体を右に倒される。
痛くない。けどっ!
右手が足から離れ、ゆっくりと体に這い上がって来る。
抵抗しようにも、体重を乗せられていてうまく動けないし、こんなみんながいる状況じゃ下手に行動も起こせない。
それは、こいつも同じはずなのに…。
「何?感じてんの?」
「やだ…離れろ…ぁうッ!」
絶対認めたくない単語を言われ、我慢出来ずに頭突きをしようとたタイミングで、奴の右手が僕の乳首を服の上から押し潰してきた。
ビクビクと淡い刺激が僕の身体に流れ、唇を噛み締めた。
「や…めろ…ン…」
「聞こえねぇな」
押し潰すだけじゃなく、そのまま乳首を摘まれコリコリと抓られる。
体験したことのない乳首からの刺激に身体はよく分からないままビクッビクッと反応する。
「こんな…ヒッ…嫌だ」
「本当に嫌?」
乳首からやっと離れたと思った手は流れる様にTシャツの隙間から侵入して僕の素肌をいやらしく撫でた。
そしてその手が這い上がり直接触られる──より前に、10カウントが終わってくれた。
「ほら、次は左な」
「…無理、嫌だ」
「…やめて下さい遥海先輩って言えたらやめてやるよ」
一旦離れたソイツは、偉そうな言葉と悪どい笑みを浮かべ僕の顔を覗き込んできた。
んなこと言えるかっ!屈辱だ!
「ほら、始まるぞ?」
クソモデル野郎は愉快そうに瞳を細める。
コイツに従うのは嫌だ…嫌だ嫌だ…。
だけど、さっきみたいにみんなの前で触れられて、遊ばれる方がもっと嫌だ…。
だからっ…仕方なくっ。決して屈したわけじゃない。状況が悪いせいだ!
「───」
「聞こえない」
「クッ…やめて下さい…遥海…先輩」
「上出来」
満足そうに頷き、奴は僕から離れ、その後は普通に押してくれた。
…背中を押す手つきがやらしかったけどな!クソエロモデル!
「はぁ…はぁ…」
「息が荒いけど、どうかした?」
もう外行きの笑顔で座り込んでいる僕に手を差しのべるソイツ。
一々ムカつく。誰のせいだと思ってるんだ。
その手を荒々しく掴み、力一杯握るが効果はなく眉一つ動かさない。
「プ。弱」
うわぁぁぁぁぁ!叫びてぇぇぇ!!
柔軟という名の拷問が終わった時点で、僕のイライラと疲労はMAX値まで上昇した。
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